谷口“総帥”逃げ切り美酒「僕の怖さ分かったでしょ」

[ 2011年10月24日 06:00 ]

1年5カ月ぶり、通算17勝目を挙げた谷口は優勝トロフィーを手に笑顔

ブリヂストンオープン最終日

(10月23日 千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦コース=7119ヤード、パー71)
 谷口徹(43=フリー)が圧巻の強さでぶっちぎった。首位からスタートして6バーディー、ノーボギーの65。通算15アンダーで2位に5打差をつけ、昨年の日本プロ以来となる1年5カ月ぶりの通算17勝目を挙げた。自らが指導する若手選手にも祝福を受け、“谷口軍団”の総帥としての意地と実力を示した。石川遼(20=パナソニック)は出入りの激しい内容で70で回り、通算4アンダーの23位に終わった。
【最終R成績】

 ウイニングパットを決めて拍手を浴びる。今までの谷口には、その瞬間だけが至福だった。「誰とも一緒に行動しないし、そういうのが好きでもなかった。優勝する一瞬が好きで、そのためだけにやっていた」

 この日も最後は2・5メートルのパットを沈め、鮮やかなバーディーで締めくくった。口をぎゅっと結んでガッツポーズ。今までなら優勝の喜びもここで終わりだが、今回は続きがあった。スコア提出所から出てくると松村、諸藤、武藤に伊藤誠道が待ち構えていた。普段からアドバイスを送り、練習をともにする「弟子」からの水シャワー。「余韻に浸ってたのに目が覚めたやないか!」。文句を言いつつも、“総帥”は笑っていた。40歳を超えて、自らの励みにと若手に声を掛け始め、一匹狼の周りにいつしか出来上がった“谷口軍団”。弟子からの祝福は新しい喜びだった。

 前半は惜しいパットを何度も逃していたが、ショットは「ピンにしか飛んでいかない」と言うほど完璧な出来。11、12番の連続バーディーで抜け出すと弟子たちをはるか後方に置き去りにして久々の優勝を勝ち取った。

 群れない強さ、こびない強さの代わりに得た別の強さ。「あいつらも僕の怖さが分かったでしょ。彼らがいい成績を出してくれたらうれしいし、自分も優勝できる姿をまだまだ見せたい」。それを示した復活Vだった。

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2011年10月24日のニュース