10カ月ぶりレースで区間賞 野口“大阪からロンドンへ”

[ 2011年10月24日 06:00 ]

実業団女子駅伝西日本大会に出場し、トップでたすきをつなぐ野口みずき

実業団女子駅伝西日本大会

(10月23日 福岡県宗像市役所前発着、6区間42・195キロ)
 10カ月ぶりのレース復帰となった04年アテネ五輪女子マラソン金メダリストの野口みずき(33=シスメックス)が3区で区間賞の快走を見せ復活を印象づけた。レース後には、ロンドン五輪代表選考会である来年1月29日の大阪国際女子マラソンに出場する意向を明かした。天満屋が最終6区でシスメックスを逆転し初優勝した。

 区間賞の快走を見せた野口が、マラソン復帰を表明した。「1月の大阪を狙っていきます。03年のパリ世界選手権代表を決めたのが大阪で、験担ぎではないけど、動物的な勘が働いて。沿道の声援のパワーもある。関西だし」と大阪国際を選んだ理由を明かした。

 昨年12月の全日本実業団女子駅伝以来のレースで復活を印象付けた。5キロすぎに腹痛に襲われたというが、10・2キロを32分25秒で駆け抜けた。3区は昨年まで10・5キロで今年は距離が短縮されたため単純に比較できないが、福士加代子の区間記録(33分44秒)を上回る高速ペースで1位を独走。大きなストライドで走る独特の走法が戻り「やっと自分らしい走りができた。元気なときと同じように」と納得顔だ。

 幾度となくケガに泣かされた。「諦められなかった。何回転んでも、立ち上がろうと思った」。マラソンは北京五輪代表選考会でもあった07年11月の東京国際以来。連覇を狙った北京五輪を左太腿肉離れのため直前で出場を断念するなど、4年以上のブランクを経て、ようやく主戦場に戻る。

 本格的な練習再開は今夏以降。マラソンに向けての調整はこれからだ。今後は11月1日に渡米。12月中旬まで高地合宿を張り、11月20日にはオランダで15キロのレースに参戦する予定だ。シスメックスの広瀬監督は「スピードは戻ってきている。これからは距離を走り、スタミナづくり」と青写真を描く。高速コースとして知られる大阪国際への挑戦に勝機を見いだしているとも受け取れる。

 今夏の世界選手権で日本選手はアフリカ勢に完敗。野口は「それを見て、さらに燃えてきた」と語り「2時間19分で走れないと(世界では)勝てない」と意欲を見せた。目指すは自らが05年に出した2時間19分12秒の日本最高記録。アテネの女王が頂点に向かって再び走りだした。

 【野口負傷メモ】

 08年8月 北京五輪前のスイス合宿で左太腿に肉離れを起こし、五輪出場をレース直前に断念。

 09年3月 練習中に左太腿肉離れを再発。

 10年10月 実業団女子駅伝西日本大会に出場し、3区で16人中区間5位。08年5月の仙台国際ハーフ以来、2年5カ月ぶりのレース参戦。

 10年12月 全日本実業団女子駅伝に体調不良のまま参加し、3区で24人中区間20位の大ブレーキ。レース後に左足首の疲労骨折が判明して4カ月間のリハビリ。

 11年6月 左でん部を肉離れ。出場を目指していた7月の札幌国際ハーフを欠場し、復帰プランは再び白紙に。

 ▽ロンドン五輪の女子マラソン代表選考 代表枠は3。選考レースは今夏の世界選手権、11月の横浜国際、来年1月の大阪国際、同3月の名古屋ウィメンズ。各大会の上位から、日本陸連が五輪で戦えると判断した選手を選出する。世界選手権でメダルを獲得し日本人最上位なら代表に内定したが、赤羽の5位が最高で内定せず。横浜国際女子には、世界選手権で18位に終わった尾崎がエントリー。五輪選考会では初めて、全てのレースでペースメーカーが導入される。

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2011年10月24日のニュース