明大・桜井、史上11人目の2冠でうれし泣き

[ 2011年7月10日 06:00 ]

日本アマチュア選手権で初優勝し、カップを手に笑顔の桜井勝之

 日本アマチュアゴルフ選手権最終日は9日、愛知県みよし市の三好カントリー倶楽部西コース(7230ヤード、パー72)で行われた。36ホールのマッチプレーによる決勝戦は、桜井勝之(20=明大2年)が藤本佳則(21=東北福祉大4年)に1アップで競り勝ち、初優勝した。日本アマ、日本学生の2冠は、03年の甲斐慎太郎以来で11人目。桜井は、一時3ダウンまで離されたが、27ホール目に逆転。33ホール目に追い付かれたものの、次のホールで再びリードして逃げ切った。18ホールで争われた3位決定戦は、浅地洋佑(18=杉並学院3年)が古田幸希(19=東北福祉大1年)を破った。

 桜井の1アップで迎えた36ホール目。藤本のバーディーパットがカップに蹴られた後、桜井が難なくパーをセーブして長丁場の接戦に決着をつけた。両手で顔を覆って涙を流した桜井は「今までにない緊張を感じ、最後は手が震えました。記憶もほとんどありません。自分に運があったのかな」と振り返った。うれし泣きは人生で初めてだった。

 昨年の日本学生選手権でも破った藤本に、再び競り勝って史上11人目の2冠に輝いた。「アマとしてやることはやり終えた感じ。今年の目標は予選会です」。喜びもほどほどに、来年の国内プロツアー出場を目指して受験予定の今年のツアー予選会(QT)に目を向けた。杉並学院高で石川遼の1年先輩に当たるアマ王者は「これで疲れていたらプロで通用しない。最終的な目標は米ツアーで活躍することですから」と涼しげな表情で話した。

 ◆桜井 勝之(さくらい・かつゆき)1991年(平3)1月2日、茨城県龍ケ崎市生まれの20歳。10歳からゴルフを始める。杉並学院高では腰を痛めて満足にプレーができず、2年で退学して米国へゴルフ留学。帰国後、通信制のつくば開成に入学し、同校を卒業。現在は明大商学部2年。趣味は食べ歩き。1メートル78、74キロ。

 <藤本ぼう然…「神様が」>最終36ホール目、藤本がグリーンで立ち尽くした。入ればイーブンの6メートルのバーディーパットがカップに蹴られ「ど真ん中から入ってあんな形で抜けるのは初めて。神様がまだ勝つなと言っているんでしょう」と悔やんだ。桜井は昨年の日本学生で最終日同組になり、5打差を逆転された“因縁の相手”。今回はリベンジとはならなかったが、この悔しさはプロの舞台で晴らす。

 <高校生・浅地、満足3位>高校生でただ一人4強入りした浅地は、3位決定戦で古田に3アンド2で勝ち「ゴルフの状態は3日間とも良かった。きょうもいいプレーができた」と胸を張った。一方の古田は終盤に失速し「自分のミスだから仕方ない。勝てる感じではなかった」と結果には納得の表情。最後は「最終日まで残るのは大変なこと。何とか地元(宮城)を元気づけようという思いが、好結果につながったと思う」と話した。

続きを表示

2011年7月10日のニュース