カーワン日本、9月W杯“前哨戦”逆転制圧!

[ 2011年7月10日 06:00 ]

ラグビーパシフィック・ネーションズ杯 日本28-27トンガ

(7月9日 フィジー・スバ)
 世界ランク15位の日本代表はW杯(9月9日開幕、ニュージーランド)1次リーグで対戦する同12位のトンガ代表に28―27で競り勝ち、今大会初勝利を飾った。これでトンガ戦は5連勝(通算7勝5敗)となり、2カ月後に迫った“本番”へ弾みをつけた。日本は後半11分にCTB平浩二(28=サントリー)がチーム4本目のトライを挙げ11点のリード。終盤はトンガに追い上げられたが、逃げ切った。これで4チームが1勝1敗。日本は13日の最終戦でフィジーと対戦する。

 日本代表が粘り強い守備で接戦を制した。残り11分で28―27。反則を取られればPGで逆転される状況で、15人が一体となった果敢な防御で耐え抜いた。最後はCTBニコラスの低いタックルで相手がノックオン。ジョン・カーワン・ヘッドコーチ(46)は「後半はよく我慢した。速いディフェンス、ゲームプランを遂行することができた」と笑顔で振り返った。

 先発メンバーには08年7月のサモア戦と並ぶ最多7人の外国出身者が名を連ねた。初戦のサモア戦は序盤で甘いタックルからトライを許して15―34の完敗。ニュージーランド出身でBKリーダーのニコラスは試合前に「1対1のタックルミスだけはなくそう」とゲキを飛ばした。前戦は高かったタックルが低く突き刺さるようになり、簡単に突破を許さなかった。

 攻撃でもW杯用のフラットで浅いラインから攻める戦術でトライを奪った。21―17で迎えた後半11分には、FWがライン参加する3つのサインプレーのうちの1つを披露。フランカー菊谷主将がおとりになって相手を引きつけ、空いているスペースにCTB平が走り込んでインゴールに飛び込んだ。同主将は「速いテンポでやりたいことを出し切った」と胸を張った。

 トンガは昨年の対戦から先発メンバーを10人入れ替え、世界最高峰のスーパーラグビーで活躍するプロップ、タウマロロ(チーフス)とWTBイオンギ(ブランビーズ)が入るなど、ほぼベストメンバー。ガチンコのW杯前哨戦に攻守両面で日本らしさを見せて勝利したことは何よりの自信になる。最終戦は5連敗中のフィジーが相手。「より速く、テンポアップした試合を目指す」と指揮官。W杯本番に弾みをつけるためにも連勝を狙いにいく。

 ≪最年少リーチ、攻守に存在感≫ニュージーランド出身のフランカー、リーチが攻守に奮闘した。右足首捻挫も癒え、公式戦で3戦ぶりに先発。マイボールのラインアウトで最初の2本を確実に捕って攻撃にリズムを与えると、密集戦でも鋭い反応からターンオーバーを連発した。後半2分はラックから左サイドに抜け出し、ゴールラインまであとわずかに迫って迫力十分。チーム最年少の22歳が存在感を見せた。

続きを表示

2011年7月10日のニュース