妹に夢託され復帰の坂本 五輪金へ第一歩の世界一

[ 2010年9月9日 02:03 ]

 【世界選手権女子48キロ級】「初めての五輪階級への挑戦。出るだけじゃなく、絶対に優勝する」と誓った48キロ級の坂本が有言実行した。51キロ級で6度も世界一に輝いたベテランは新階級に転向しても実力を発揮し、金メダルを獲得した。

 持ち味の攻撃的なレスリングを展開し、1、2回戦はともに1分ほどでフォール勝ち。準々決勝は北京五輪女王のハインに低いタックルを決め、逆に相手の攻撃はつぶしてポイントを重ねる完勝劇だった。難敵を破った勢いで準決勝、決勝も勝ち抜いた。
 かつては48キロ級に妹の真喜子さんがおり、姉妹対決を避けるために非五輪階級の51キロ級で戦ってきた。2年前の北京五輪を目指して55キロ級で勝負したが、国内の代表争いで女王の吉田(綜合警備保障)に完敗。同年の世界選手権51キロ級制覇を最後に第一線から退いた。
 だが、昨年限りで引退した真喜子さんから五輪金メダルの夢を託され、5月に48キロ級で復帰。厳しい減量と戦うが「ロンドン五輪を目指す幸せを感じている。すべての経験が2年後の五輪金メダルにつながる」。この優勝はゴールではなく、大きな目標に向けての第一歩だ。(共同)

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2010年9月9日のニュース