不正行為防止へ…選挙当日まで投票方法は“秘密”

[ 2010年1月29日 06:00 ]

 日本相撲協会は2月1日に実施する役員改選の立候補者を28日、東京・両国国技館で受け付け、定員10人の理事に11人が立候補。4期8年ぶりに投票に持ち込まれることが決まった。理事選で導入される新投票システムについては、選挙管理委員長の大山親方(元幕内・大飛)が、選挙当日まで他の4人の選挙管理委員にも全容を明かさないと明言。不正行為の介入余地がない、真の「無記名投票」実現へ自信を見せた。

 大山選挙管理委員長は不正行為について「できないように一生懸命やっている。出させません」と自信に満ちた口調で言い切った。新投票システムの詳細については「きょう選管に概要は説明したが、詳しいことは当日にならないと説明しない」ときっぱり。情報が漏れて新システムへの対応策を取られることを警戒し、他の選挙管理委員4人にも明かさない異例の措置を取ったという。
 相撲協会の選挙は「単記無記名投票」と定められており、投票用紙に候補者の名前を書いて投票箱に入れる方式。だが、一門を代表する立会人(5人)が記入漏れなどをチェックしてきたため、“造反者”がいないかチェックすることが可能だった。貴乃花親方が立候補した今回は票の流出阻止のため、立会人に投票用紙を見せてから投票箱に入れることを厳命した一門が複数あった。文科省から投票方法に関する問い合わせもあり、大山委員長はあらためて「(投票所に)人がざわざわ集まっていた。そういうのはいいことじゃない」と投票システムの変更を明言した。
 協会関係者によると、新システムは立会人の位置を投票箱から遠ざけることや、候補者名を直接書き込むものから名前に○×をつける方式への変更などが予想される。初めてのシステムに混乱を招かないよう、当日は投票前に選管を集めてリハーサルを行う予定だ。
 システム構築のため、大山委員長は一般の選挙がどのように行われているかをリサーチしたという。投票所の図案は8年前の前回理事選を参考に、24日の千秋楽までに完成。現在は協会の金庫にしまってあり「当日まで絶対出すなと言ってあります」。選挙結果と角界の行く末を大きく左右しかねない新システム。その全容は2月1日の投票日まで誰も分からない。

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2010年1月29日のニュース