自分追い込んだ真央ちゃん「五輪につながる」

[ 2010年1月29日 18:03 ]

女子で優勝し、花束を手に観客の声援に応える浅田真央

トリプルアクセル決めた!真央ちゃんお見事逆転V!

 重厚な鐘の音がやみ、観客から拍手がわき起こる。少し間を置いて、浅田の顔に笑みが浮かんだ。「五輪につながる演技。すごく満足している」。19歳が、窮地で底力を発揮した。
 五輪前に演技するのはこれが最後だった。「後がない。SPもフリーも駄目だったら、どうなることかという気持ちで(自分を)すごく追い込めた」と振り返る。
 27日のSPで回転不足に終わったトリプルアクセルを、今度は2度とも成功させた。不調時は2度目のトリプルアクセルの助走が遅くなる傾向があったが、この日は流れに乗って舞い上がった。「回転不足でも、こけても、(回転が抜ける)パンクでも(失敗であることは)変わらない。思い切りいくことだけを考えた」と迷いを振り切った。
 五輪でSP、フリー合わせて3度の成功を目指す大技は、練習でも1回転になったり、転倒するミスが大きく減った。目下の課題に掲げる回転不足も修正の過程にある。五輪本番の演技まで1カ月足らず。調子が悪くても挑戦をあきらめなかった大技にやっと好転の兆しが見えた。
 シーズン序盤に遠のいた金メダルに「八十パーセントまで近づいた」と言い切った。浅田の目にはライバル、キム・ヨナの背中がはっきりと見えるのだろう。これからラストスパートに入る。(共同)

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2010年1月29日のニュース