朝青龍13連勝も内館横審委員「認めない」

[ 2009年9月26日 06:00 ]

内舘委員がいることを知ってか琴欧洲を起こしてみせる朝青龍

 大相撲秋場所13日目は25日、両国国技館で行われ、単独トップを走る横綱・朝青龍が大関・琴欧洲をすくい投げで下し、無傷の13連勝をマークした。横綱審議委員会の内館牧子、石橋義夫両委員が観戦する前で盤石の相撲を披露したが、内館委員からは横綱としての姿勢を激しく糾弾された。1差で追う白鵬は琴光喜に快勝。2敗の把瑠都も快勝したが、きょう14日目に白鵬が敗れ、朝青龍が琴光喜を下せば、朝青龍の4場所ぶり24度目の優勝が決まる。

 朝青龍の勝利に沸く館内で、みけんにしわを寄せている女性がいた。向正面の升席で見届けた内館委員は、もうこりごりだと言わんばかりに「私は認めません。稽古もしていないし、横綱としてよしとは思わない。勝てばいいという問題ではない」と吐き捨てた。結果にばかり固執し、横綱としての責務を怠り続ける朝青龍への怒りがついに爆発。「心構えが気に入らない。横綱として2流、3流」と朝青龍ばりに“毒”をまき散らした。
 8日ぶりに“天敵”の視線を浴びながらも、朝青龍は抜群の集中力を発揮した。制限時間いっぱいでのにらみ合いで闘志に火がつくと右張り手で先制。いなしや俊敏な動きで2メートル3、153キロの琴欧洲をほんろうしながら左差し。絶妙のタイミングで繰り出したすくい投げで巨体を転がした。
 会心の相撲で琴欧洲を退治し、初日からの白星を13個並べた。文句なしの内容に横審の石橋義夫委員は「朝青龍がいくんじゃないか」と太鼓判。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)も「動きが速くて相手がついていけてない。ここ一番の集中力は凄い」と充実ぶりを認めた。
 14日目の結果次第では、4場所ぶり24度目の優勝が決まる。支度部屋の朝青龍は「まわしを取ると力があるから、とにかく早く攻めるように」と琴欧洲戦を淡々と分析。優勝に関しては「あまり考えない。冷静に」と同じフレーズを繰り返したが、痛めている左ひじについて聞かれると「痛いなんて言ってられない」と語気を強めた。
 内館委員は「15連勝したら“内館、何言っているんだ”となるかもしれないが、それは違う」と、最後まで朝青龍を認めようとはしなかった。だが、これらの批判を発奮材料にしているかのように、希代のヒール横綱はさらに勢いを増しつつある。

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2009年9月26日のニュース