甲田 初日からトップのまま独走!完全V

[ 2009年9月26日 06:00 ]

プロとして初出場、初優勝した甲田良美(右)はライオン株式会社代表取締役社長の藤重貞慶氏から優勝カップを贈られてニッコリ

 女子ゴルフのステップアップツアーの第6戦・ライオンレディースカップ最終日は25日、千葉県成田市の成田ゴルフ倶楽部(6553ヤード、パー72)で行われた。初日首位の甲田良美(26)がこの日も4バーディー、3ボギーの71とスコアを伸ばし、通算4アンダーの140でプロ初優勝を果たした。1打差の2位には村田理恵(35)が入り、さらに1打差で金井智子(26)が3位。注目のルーキー・竹村真琴(19)は10位に終わった。

 胴上げに拍手、そしてハイタッチ…、今年7月プロテストに合格した同期生たちの温かい祝福に甲田の笑顔が弾けた。
 初日トップ。2日目も一度も首位を譲ることなく迎えた最終18番グリーン上。村田に1打差しかないことは、17番のボードで分かっていた。「ボギーでプレーオフになったら負ける。何がなんでもパーで終わらせる」ピン右¥12¥メートルから80センチ残したパーパットを、甲田は「まっすぐ」打って沈めた。
 プロ初勝利。これまでで最高の賞金、270万円は「両親に贈ります」という。父・稔久さん(¥55)の強い勧めでゴルフを始めたのは栃木・白鴎大学足利高校3年の夏。それまではソフトボール部で「卒業したら実業団で続けようと思っていた」という。しかしプロゴルファーになると決め、実現するまで7年かかったが、もちろん悔いはない。
 現在は実家のある那須塩原市を離れ、成田GCの隣「車で2分」のスカイウエイCCに所属して一人住まいを続けている。「近いし、昨日もきょうも応援に来てくれた。仕事というより、ほとんどゴルフの練習に集中させてもらってる。だから、絶対ここで優勝したかった」とゴルフ場スタッフへの“恩返し”の意味もあった。
 プロテストに合格したとき、稔久さんは現地まで応援に来てくれた。家で吉報を待っていた母・節子さん(52)には電話で知らせた。「すごく喜んでくれました。この優勝を真っ先に知らせたいのも両親です」と胸を張った。
 プロテストに合格しまずは「プロ」という正式な「資格」を手にした。そして最初の試合、ステップアップツアーのライオンレディスで優勝。
 文字通りのステップアップで今度はレギュラーツアーに挑戦する。
 大きな大きな優勝副賞は、4試合の出場権だ。10月9日開幕のSANKYOレディースオープンから樋口久子IDC大塚家具レディスまで、10月は甲田にとって挑戦月間になる。
 今季これまで、レギュラーツアーのアクサレディスとクリスタルガイザーレディスに推薦出場したがいずれも予選落ちに終わった。
 「目標はまず、予選突破。そして次は上位、優勝を目指しがんばります」と、甲田は初々しく宣言した。
 顔。

 ◆甲田 良美(こうだ・よしみ)1983(昭58)年4月1日、栃木県生まれの26歳。スカイウエイ・カントリークラブ所属。今年7月のプロテストで20位合格。得意クラブは1W、平均飛距離は235¥ヤード¥。血液型O。1メートル64、¥53キロ。

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