元祖天才の意地!愛ちゃん 佳純に圧勝

[ 2009年1月19日 06:00 ]

得点を決めた福原愛は石川佳純(手前)に向かってガッツポーズ

 卓球の全日本選手権最終日は18日、東京体育館で行われ、福原愛(20=ANA)が女子シングルス準々決勝で、石川佳純(15=ミキハウスJSC)と公式戦初の一騎打ち。4―0で圧勝し、17日の同ダブルス決勝で敗れた雪辱を果たした。初めて4強入りした福原は準決勝で敗れ3年ぶりに無冠に終わったものの、4月28日開幕の世界選手権(横浜アリーナ)へ手応えをつかんだ。女子は平野早矢香(23=ミキハウス)、男子は水谷隼(19=明大)がともに3連覇を達成した。

【Go!アスリート福原愛】

 天才少女対決は、元祖・天才の福原が「愛ちゃん2世」石川に先輩の意地を見せつけた。シングルスでの公式戦初対決は4―0で圧勝。「思い切って、最初から最後まで攻めていけたのが良かった」。ダブルスのリベンジに成功して初の4強入りを果たし、左拳を握りしめて笑みを浮かべた。

 普段はスロースターターだが、午前10時開始の第1ゲームからエンジン全開だった。4―7とリードされたこのゲームを逆転で奪うと、動きの硬い石川を一気に押し切った。左右の厳しいコースへボールを散らし、「サーッ!」の掛け声は実に63回。「私が石川さんに勝てるのは経験。経験の差を生かせて良かった」と言って笑った。

 昨年11月、男子テニスの錦織との熱愛が報道された。今大会に向けた練習に集中するため、12月10日から中国で合宿。フォアの強化に重点を置き、年明けには極秘で北京オープンにも出場した。石川だけでなく、12歳の前田や8歳の平野らヤングパワーが台頭する日本女子卓球界。若い世代から目標とされる存在となったが、父・武彦氏は「愛が前を走ることで後ろはついてくる。簡単に負けると良くない」と石川の挑戦をはね返したことを評価した。

 準決勝でカットマンの王輝に敗れ、シングルス初優勝どころか3年ぶりの無冠に終わった。それでも、福原は「練習の成果は出せたので満足してます」と手応えを強調した。4月には横浜で世界選手権が開かれるが、「このままの調子で新たな気持ちで頑張りたい」。年下のライバルから刺激と自信を得たエースが、世界の表彰台へ力強く歩んでいく。

 ≪佳純 涙止まらず≫福原に完敗を喫した石川は涙が止まらず、「凄い緊張した。勝てる感じじゃなかった」と振り返った。女子シングルス最年少優勝を狙っていたが8強止まりで、3年連続の4強入りはならなかった。それでもダブルスで初優勝し、ジュニアの部シングルスでは福原に並ぶ3連覇。女子日本代表の村上監督は「将来有望で選考基準に合致する」と世界選手権代表入りを確約しており、ダブルスで福原とタッグを組む可能性もある。

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2009年1月19日のニュース