6年ぶり米V見えた!丸ちゃん2位浮上

[ 2009年1月19日 06:00 ]

首位と1打差の2位に浮上した丸山茂樹

 USPGAツアーソニー・オープン第3日は17日、米ハワイ州ホノルルのワイアラエCC(7044ヤード、パー70)で行われ、3位から出た丸山茂樹(39=フリー)は2バーディー、ボギーなしの68とスコアを伸ばし、通算9アンダーで首位と1打差の2位に浮上。03年のクライスラー・クラシック以来、6年ぶりの復活優勝へ大きく近づいた。今田竜二(32=フリー)は66で回って通算3アンダーとし、63位から31位に順位を上げた。地元ハワイ出身の18歳、タッド・フジカワは62の好スコアで2打差の6位につけた。

 粘って、粘って、6年ぶりの優勝に大きく前進した。ボギーのないラウンドこそが丸山の復調の証だ。「崩れちゃいけないという駆け引きがあって難しかった。ノーボギーは素晴らしい。上出来」。納得のプレーに満足げな笑みを見せた。

 昨季なら崩れていた展開だった。1番パー4で第2打が早くもバンカーにつかまった。だが、3メートルにつけてパーをセーブ。9番でこの日、2つ目のバーディーを奪った後の10番パー4でもティーショットを左に曲げた。木が邪魔になり第2打は右のセミラフ。そこから4メートルに寄せてパーを拾い、流れを切らさなかった。午後は風が強まったものの、首位との1打差をキープ。「いいパーパットも入ったし、バーディーを余計に取ったようなもの」と前向きにとらえた。

 米ツアーで最も悩まされたのが飛距離だった。年々コースの距離が延ばされるのに対応しようと、焦って歯車が狂った。「ドライバーを構えると不安になってくる」と一時は恐怖症にも陥った。昨秋日本ツアーに戻ってスイングを改造。また、丸山仕様のプロトタイプの1Wもフィットし、安定感を取り戻した。今大会のコースは7044ヤードと比較的距離が短く、3位だった05年は第3日の時点で首位に立ったように相性も良い。それだけに「前回は何となくトップに立ったけど、安定しているから自信を持って最終日に臨める」と言葉も力強かった。

 どん底で帰国した昨年、日本のファンの声援に勇気づけられ、復活への思いを新たにした。だからこそ「年の初めに良いお知らせを届けたい。ゴルフファンに見てもらいたい」と、恩返しへの意識もより強くなった。

 過去3度の優勝で逆転したのは2位からプレーオフに持ち込んだ01年のミルウォーキー・オープンだけ。「自分は先行逃げ切りタイプ。でも、あしたはディープインパクトのように、第4コーナーを過ぎた所からまくりたい」。武豊騎手がかつて「飛ぶ」と表した名馬ばりの逆転劇で、復活ストーリーを完結させる。

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2009年1月19日のニュース