中野、真央超えた!初の全日本首位発進

[ 2008年12月27日 06:00 ]

スピンを決める中野友加里

 “第3の女”返上だ!フィギュアスケートの全日本選手権第2日は26日、長野市ビッグハットで女子ショートプログラム(SP)が行われ、中野友加里(23=プリンスホテル)が67・26点をマークし、首位に立った。浅田真央(18=中京大中京高)が65・30点で2位、安藤美姫(21=トヨタ自動車)は65・02点で3位。有力選手が勢ぞろいし、3枠の世界選手権(来年3月、米ロサンゼルス)出場権争いがし烈な中、新旧世界女王を抑えて首位に立った中野は、27日のフリーで初優勝と2位以内に与えられる世界選手権切符を目指す。

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 友加里スマイルがはじけた。電光掲示板に映し出された得点を確認した中野は「本当にビックリしました」と白い歯を何度も見せて喜んだ。「67・26点」。国際スケート連盟主催の大会ではないため、非公認ながら自己ベストの61・10点(08年世界選手権)を大幅に更新。浅田に1・96点差、安藤に2・24点差をつけてのトップ発進に、ただ驚くだけだった。
 代表選考会を兼ねる全日本選手権は「シーズンの中で一番、緊張する」という。演技直前の6分間練習で3回転ジャンプでミスを連発。しかし、不調だったことで「ここまできて順位を気にしてたら、さらにプレッシャーになる。何位でもいいと思った。無の境地でした」と逆に開き直った。
 冒頭の3回転―2回転の連続ジャンプに成功すると波に乗った。今季は回転不足をとられることが多かったが、他の2つのジャンプもきれいに着氷。得意のスピンも3つすべてで最高評価のレベル4を獲得し「きょうのジャンプとスピンは、今できることはやれたと思う」と胸を張った。
 いつも、同じ愛知県出身の後輩の浅田や安藤の陰に隠れてきた。今大会前も初優勝について問われると「真央ちゃんがいるから(私は優勝以外で)大丈夫です」と控えめだった。しかし、昨季の世界選手権4位で今季の意識は高まっていた。練習はもちろん、私生活でも美肌を意識して食生活を改善し、息抜きを兼ねて料理教室にも通った。小さな努力で後輩2人を追いかけてきた。
 GPファイナル優勝で当確の浅田をのぞけば、残り2枠の世界選手権代表。元女王の安藤、ベテラン村主に加え、鈴木、武田の若手も加わり、争いはし烈だ。その中で代表に大きく前進する初のSP首位。女子では世界で浅田と中野しか跳ばないトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)のフリーでの挑戦について「できればやりたい」と話した中野は「きょうのことは忘れ、気持ちを切り替えたい」。“第3の女”に浮かれた様子はみじんもない。

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2008年12月27日のニュース