日本バレー 五輪に行きたくないみたい

[ 2008年6月1日 06:00 ]

第4セット、肩を落とす日本代表

 植田ジャパンが勝利を自ら手放した。バレーボール男子の北京五輪を懸けた世界最終&アジア予選は世界ランク12位の日本が同10位で04年アテネ五輪銀メダルのイタリアと対戦し、フルセットの末に2―3で敗れた。2―1で迎えた第4セット、24―17と勝利まであと1点としながらミスを連発。計11度のマッチポイントを生かせず、92年バルセロナ五輪以来4大会ぶりの夢舞台へ、悪夢の黒星スタートとなった。

 勝利の女神も目を疑ったに違いない。92年バルセロナ五輪以降、夢舞台から遠ざかる男子ニッポンは96年アトランタ五輪から3大会連続メダルのイタリアを追いつめ、番狂わせは目前だった。「自分たちから勝ちを逃してしまった」。憔悴(しょうすい)しきった植田監督の言葉が、すべてを物語っていた。
 勝利が見えた瞬間、悪夢のシナリオが幕を開けた。2―1で迎えた第4セット、24―17。金星まであと1点としながら7連続失点で追いつかれ、計11度のマッチポイントを生かせなかった。両チーム最多29得点と奮闘した山本も肝心な場面では決められず、セッターとの呼吸が合わない山村はスパイクを空振りし、サーブレシーブも乱れに乱れた。「精神的な部分。25点取るまで集中力を切らさないようにしないといけない」と山本。北京ロード最終章の初戦で、ひ弱すぎるメンタル面が浮き彫りになった。
 集中力が切れた最終第5セットは開始から5連続失点を喫し、無抵抗のままあっさり終戦。バルセロナ五輪を知る38歳の荻野主将は「こんな負け方は今までない。後味が悪い」と吐き捨てた。1日からはイラン、韓国、タイ、オーストラリアとアジア勢との4番勝負。「ショックは残るが、私が先頭に立って引っ張らないといけない」と指揮官。1日で悪夢を振り払わなければ、4大会ぶりの五輪出場は夢物語で終わってしまう。

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2008年6月1日のニュース