横田 復活Vへ2位急上昇!

[ 2008年5月11日 06:00 ]

18番、林の中からセカンドショットを打つ横田真一(フォアピン提供)

 男子ゴルフツアーのスポニチ主催パインバレー北京オープン第3日は10日、中国・北京 パインバレー・ゴルフリゾート&CC(7299ヤード、パー72)で行われ、復活を目指す横田真一(36=サクセスプロ)が強風の中、6バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの69で回り、通算6アンダー、210で2位に浮上した。首位の藤田寛之(38=葛城GC)は2バーディー、2ボギーの72にまとめ、通算12アンダーの204で2位に6打差をつけて独走態勢に入った。

【第3R成績
放送は【GyaO】で


 横田が反撃ののろしを上げた。強い風で周囲がスコアを落とす中、4番パー4で波に乗った。残り179ヤードの第2打を6Iで5メートルにつけ、バーディーパットをねじ込んだ。18番のダブルボギーが悔やまれたが、69はこの日2番目の好スコア。2位に浮上すると、中国メディアに「ヘンハオ(とても良かった)」とリップサービス。「風が強かったのでスコアには満足」と久しぶりに充実した表情を見せた。

 95年から11年間シード権を保持してきた実力者が、奈落の底に突き落とされたのは06年末だった。選手会長として、男子ツアー発展のために尽力したのがあだとなった。会議などに時間を割かれて本業が低迷。賞金額約100万円の差でシード権を逃した。日本ゴルフツアー機構から貢献度を認められ、特別救済を持ちかけられたが、「シード権は実力で獲るべきもの」と固辞。涙ながらに家族を説得し、再出発を誓った。

 現実は甘くなかった。07年の出場試合数は限られ、1年でのシード再獲得はできなかった。一方で体のケアとスイング改造を重点的に行い、巻き返しへの種はまいていた。チャレンジランクで4位に入り、今年前半戦の出場優先権を獲得した。

 今なお、ゴルファー仲間が打ち方を教わりに来るほどの技術の持ち主。深いラフなど日本選手が環境の違いに戸惑う中、安定したプレーを続けている。「優しい先輩に胸をお借りしようと思います」。最終日は専大の2年先輩・藤田と最終組で回る。天気予報は雨だが「風より雨のほうがやさしい。もう1回、69を出したい」と不安はない。完全復活へ、舞台は整った。

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2008年5月11日のニュース