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【Jトピ~データで読み解く】スルーパス受け最多の札幌FW小柏 リーグ2位タイ25得点の攻撃陣をけん引

[ 2023年5月10日 06:00 ]

札幌・小柏
Photo By スポニチ

 札幌が順位こそ10位ながら、6日のFC東京戦で5得点するなどリーグ2位タイの25得点と攻撃陣が好調だ。主に1トップに入るFW小柏剛(24)が、武器のスピードを生かした「スルーパス受け」で能力を発揮している。

 スルーパスは華のある攻撃プレーの一つ。相手選手の間を通し、味方の足元ではなくスペースに出す。出し手にはそのスペースで味方が先に触ることができるという判断力や正確性、受け手にはオフサイドにならないタイミングでの飛び出しや爆発的なスピードが求められる。

 札幌はチーム全体でスルーパスの本数は多くないものの、成功率はリーグ2番目の55%と高い。出し手側のリーグ個人本数上位にはMF金子拓郎が4位にいるだけだが、受け手側では1位に小柏、5位タイにMF浅野雄也がランクイン。特に小柏は今季の合計出場時間がチーム全試合のほぼ半分止まりながら、スルーパス受け22回で全体トップに立っている。

 FC東京戦に先発した小柏は後半19分まで出場し、2アシストやPK獲得を含め4点に関与した。特に持ち味が生きたのは、前半28分にFW菅大輝が決めたチーム2点目のアシストだった。相手が守備ラインを高めに敷く中で、DF田中駿汰がハーフウエー付近から、一見誰もいない右コーナー付近に低い縦パスを通す。FC東京の守備陣はオフサイドの位置にいた浅野を見て足を止めたが、その浅野はスルー。真の狙いは、最終ラインのギリギリ手前にいた小柏だった。一瞬で裏の広大なスペースに飛び出すと快足を生かしてライン際でボールを拾い、余裕を持って逆サイドの菅に速いパスを折り返した。

 出し手とあうんの呼吸で、誰もいなかったはずのスペースを一瞬で奪う。そんな嗅覚を持つ小柏は、スタジアムで見てこそ楽しめる選手の一人だろう。(データ提供・データスタジアム)

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