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5・15J開幕30周年 ジーコ氏が忘れられない最初と最後のゴール

[ 2023年5月10日 04:45 ]

93年5月16日、開幕節でハットトリックを達成し、アルシンド(7)と抱き合って喜ぶジーコ
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 Jリーグは15日に30周年の節目を迎える。93年の開幕節にハットトリックを達成するなどJ創成期に軌跡を残した元ブラジル代表のジーコ氏(70=鹿島クラブアドバイザー)に自身のメモリアルゲームを挙げてもらった。

 ジーコ氏には特に印象深い試合が2つある。ハットトリックを決めた93年5月16日の開幕節(鹿島5―0名古屋)と、現役引退試合となった94年6月15日の磐田戦(鹿島2―1磐田)。“サッカーの神様”が最初と最後の試合を回想した。

 Jリーグ加盟は「99・9999%不可能」と言われていた鹿島にとって、世間に存在を知らしめることが第一だった。日本リーグ2部時代の91年に来日したジーコ氏は、世界の注目を集めたチーム開幕戦で度肝を抜くハットトリックを披露した。

 「名古屋には(元イングランド代表)リネカーがいた。世界からすればリネカー対ジーコ。国内外で注目されていた。あそこでハットトリックを決められたことは世界的にも意味があった」

 神様にとって3得点は珍しくない。それでも産声を上げたばかりのJリーグ、そして鹿島には重要な第一歩だったと語る。

 「サポーターがクラブを信じて満員となるスタジアムをつくってくれた。あの環境で3点取れたことが私にとって大事なこと。鹿島の歴史が始まったという意味で凄く重要なハットトリックだった」

 クラブをJリーグへと引き上げたジーコ氏にも終わりの時は来る。前半12分、自身のFKで秋田の先制点を演出。同21分には相馬のクロスを合わせてチームを勝利に導いた。1ゴールを置き土産に後半11分に退いたとき“事件”が起こった。

 「磐田サポーターから大きな拍手をもらったことに驚いた。試合終了後、ピッチを1周したときにも同じような拍手をもらった。磐田から自分のクラブの選手と同じような形で拍手をもらい、とても忘れられない試合になった」

 J通算23試合14得点。ピッチに立った時間は短くても、ジーコ氏は日本サッカー界に確かな礎を築いた。

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