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J3奈良クラブのDF都並優太 選手と営業マンの二刀流でフル回転 父は元日本代表の敏史氏

[ 2023年5月10日 07:00 ]

23年3月5日、松本山雅との開幕戦でプレーする奈良クラブの都並優太(左)
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 【スポニチ蹴球部コラムFootひと息】今季からJ3で戦う奈良クラブが快進撃している。開幕戦こそ敗れたものの、2戦目以降の8試合で5勝3分け、現在4連勝中だ。勝ち点18とし、J2自動昇格となる首位を走っている(現時点でJ2クラブライセンスは未交付)。

 勢いがあるチームの中で“二刀流”を続けているのがDF都並優太(31)だ。元日本代表DF都並敏史氏(61=現JFL浦安監督)の次男。ホーム初勝利を挙げた4月16日の岩手戦では相手のクリアをカットすると、ドリブルで攻め込み2度の切り返しから華麗なアシスト。決勝点を演出するなど、欠かせない存在として攻守に奮闘している。

 何が“二刀流”かと言えば、実はJFL時代から奈良クラブの営業マンとしての顔を持つ。「自分という存在が、クラブのためになるんだったらと思って始めたんです」。選手によって異なり非公開だが、J3の平均年俸は推定300~400万円ほど。決して高くない。J3選手の“副業”は珍しくないが、数社から始めた担当は今や10社以上。都並の営業なしに、クラブの経営は成り立たない。

 営業マンと選手の両立は難しそうだが、本人はやりがいを持って取り組んでいる。その理由の一つはスポンサーやサポーターから寄せられる期待を最前線で感じられること。「営業もそうですけど、そこにポスター配りに行って、サイン書いて、みたいな。そういう人たちが来てくれたりとか、ユニホーム買ってくれたりっていうのもある」。直接的にクラブの収入に計上されるものだけでなく、例えばホームでのゴール数に応じ県内の児童養護施設、母子生活支援施設などに入所している子どもへランドセルを贈るプロジェクトも“都並案件”だ。

 「奈良県に何をもたらせるのかっていうのはすごく考えますし、自覚と責任をより一層持ってプレーしなきゃいけない。プレー以外のところでも模範となるような振る舞いをしていかなきゃいけない」。ピッチ内外を問わず、周囲を元気に明るくしたい。まいた種がいつか大輪の花を咲かせることを信じ、都並の挑戦は続く。(北野 将市)

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