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【林陵平の目】抜群の連係見せる山田楓×関根の右サイドが鍵

[ 2024年4月24日 05:35 ]

DF関根とFW山田楓(右)
Photo By スポニチ

 試合全体を通して、相手の5バックと中盤4枚のブロックに対して、崩すイメージが共有できていない印象を受けた。ボールを動かすスピードが遅く、松木らを投入した終盤まで全くテンポが上がらなかった。

 4―3―3システムを採用しているのであれば、相手の1トップに対して2センターバックで持ち運んだり、インサイドハーフ、サイドバック、ウイングの3人の関係性で、サイドを崩すアイデアなども欲しかった。

 大岩監督は1次リーグ3戦でかなり先発を入れ替えた。全員を信頼している証拠で、次のカタール戦にはベスト布陣で臨めるはず。システムが4―3―3のままなら、鍵を握るのはアンカーの藤田。彼をビルドアップの起点とし、前線にいい形でボールを供給できれば、チームに好循環が生まれると思う。

 あとはFW山田楓とDF関根の右サイドもポイントとなりそう。抜群の連係を見せる2人は、このチームの最大の強み。関根は将来、必ずA代表入りするだろう逸材だ。サイズがあり、上下動もでき推進力もある。相手の守備の位置を見て、ボールを受ける場所を変えるクレバーさもある。山田楓の立ち位置を見て、中と外を使い分けられるのも強みだ。右サイドのホットラインに、調子の上がっていないFW陣が絡んでゴールが生まれると、チームは流れに乗れると思う。 (元東大ア式蹴球部監督)

 ◇林 陵平(はやし・りょうへい)1986年(昭61)9月8日生まれ、東京都八王子市出身の37歳。東京Vの下部組織出身で、明大を経て09年にトップ昇格。10年に柏へ移籍し、同年にJ2優勝、翌年にJ1制覇を経験。その後は山形、水戸、町田、群馬など主にJ2でプレーし、20年に現役引退。引退後は指導者と解説業をこなし、21~23年、東大ア式蹴球部(サッカー部)の監督を務めた。今年S級コーチ養成講習会を受講。1メートル86、80キロ。利き足は左。

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