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初代チェアマン・川淵三郎氏 J開幕の日を振り返る 1試合のみ開催「大成功の元だった」

[ 2023年5月10日 05:00 ]

Jリーグ30年を振り返る川淵三郎氏
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 長年Jリーグのチェアマンを務めてきた日本トップリーグ連携機構の川淵三郎会長(86)が9日、開幕30年を前に都内で取材に応じ、Jリーグが国立競技場で開幕した93年5月15日を「歴史的な日が始まった印象だった」と振り返った。

 開会セレモニーでは、スポットライトを浴びた川淵氏が開会宣言を読み上げ、ロックバンド「TUBE」のボーカル前田亘輝がアカペラで君が代を熱唱した。

 川淵氏は「米国の野球を見ていて、国歌をフォークソング調だったり、いろんな歌い方をしていた。真っ当な君が代では面白くない。誰が一番良いかということで、前田さんにアカペラで歌ってもらい、すぐに決定した」と舞台裏も明かした。

 国立開催にあたっては、川淵氏の中でV川崎対横浜Mにすると決めていた。ただ、同じ5月15日に開幕戦ができると思っていた他のチームからは当然反対の声も多かったという。「一つのオープニングゲームを日本の人に見てもらうことで注目を浴びる。明くる日に地元で試合をすれば2回注目を浴びる。1回でやるのは損だと説得したが、2チーム以外は反対した。これは決定だと言い訳は許さなかったが、それが大成功の元だった」と自賛した。

 また、30年を経過した現在のJリーグについても持論を展開した。Jリーグを経由せずに海外クラブに行く選手が出てきたことには「驚くべきこと。そこまでなるとは思わなかった。世界のスカウティングが日本に向いている。価値が世界的に見て上がっている」と日本サッカーの成長に目を細める。

 一方で、初代チェアマンとしては現状の観客動員数には満足はしていない。「プロは観客動員数で価値が決まると個人的には思っている。いくら素晴らしい試合をしてもスタジアムが盛り上がらなくては見ている側も盛り上がるわけはない。一番注力すべきところは観客動員だと思う」と熱く語っていた。

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