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打倒ドイツへ“森保のドローン” 異例「決戦4日前カーテン」の奥でリアルタイム分析

[ 2022年11月20日 04:30 ]

スタッフを含めて集合写真を撮る日本代表イレブン(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 決戦を前に“ポイチのカーテン”が引かれた。通常は2日前から非公開となるが、森保一監督(54)は入念に戦術の最終確認を行うため、初戦のドイツ戦(23日)の4日前となる19日から冒頭15分を除いて練習をクローズする方針を表明。18年の就任以来、大会規定などを除いた自主的な非公開は初めてとなった。非公開初日となる19日の練習からは最新鋭の映像分析機器が導入された。

 異例のクローズで準備に入った。森保監督は「4日前にも3日前にも戦術的なところを取り入れたい。初戦に向けてより集中し、準備をする」と異例の4日連続非公開の理由を説明した。そして、この日からは“ハイテク秘密兵器”を投入。ピッチに大型モニターを持ち込んだ。ドローンややぐらの上から選手の動きや立ち位置などをリアルタイムで映し、分析することもできる最新鋭機器を活用しながら、戦術の総仕上げに取りかかった。

 「ドイツはスピードもパワーも技術も持っている。ダイレクトで攻めてくるダイナミックなプレーはケアしないといけない」と指揮官が警戒する初戦に向けて、戦術上で確認すべきポイントは4つ。まずは守備。「相手がシンプルに背後にボールを供給して、我々のDFラインが自チームのゴールに向かって守備をしなければいけない状況をできるだけなくす」。そのためには前線からの連動したプレスや、状況に応じた守備ブロックの敷き方の整理が求められる。2つ目は、それでも放り込まれた時の競り合いで自由を与えないことと、セカンドボールの回収。立ち位置が重要な鍵を握るだけに細かく見直す必要がある。

 3つ目は攻守のセットプレーの確認。守備ではカナダ戦で失点以外にもCKでマークを振り切られたピンチが多々あっただけに、連係で緻密なすり合わせが必要となる。最後は3バックの熟成。カナダ戦では相手の形に合わせて日本側のマッチアップを明確にしたことで、主導権を握り返すことにつながった。形勢逆転を狙える布陣変更は本大会でもメリットが多い。いずれの戦術確認にもドローンなどを使った分析が重要な役割を担う。厳重なカーテンの内側で、ハイテク機器を駆使して打倒ドイツ対策が入念に練られる。

 【過去3大会の非公開練習】☆10年南アフリカ大会 6月6日に南アフリカ入り。8日に南アで初の非公開練習を実施。10日にはジンバブエと練習試合を行い0―0で引き分けたが急造の守備的布陣に手応えを得て14日のW杯初戦でカメルーンに1―0勝利。

 ☆14年ブラジル大会 6月6日に米国での親善試合でザンビアに4―3で勝ち7日にブラジル入り。練習場は周囲から見えないように黄色いシートを設置。非公開で調整し14日の初戦コートジボワール戦に臨むも1―2黒星発進。

 ☆18年ロシア大会 6月12日にオーストリアで開幕前最後の親善試合を行いパラグアイに4―2勝利。14日からロシアで練習を開始。15日からは冒頭のみ公開の非公開練習を行い、19日の初戦でコロンビアに2―1で競り勝った。

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