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涙に濡れた広島MF満田とMF川村 スキッベ監督は「負けたのは彼らのせいではない」

[ 2022年10月16日 20:05 ]

天皇杯全日本サッカー選手権大会決勝   広島1ー1(PK4-5)甲府 ( 2022年10月16日    日産ス )

<天皇杯決勝 甲府・広島>延長後半、満田(左から2人目)はPKを河田(中央)にセーブされる=撮影・小海途 良幹
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 この苦い涙を無駄にしてはいけない。1人はMF満田誠。そしてもう1人はMF川村拓夢だ。今季のチームの躍進を支えた広島ユースの同期コンビは、PKに泣かされた。

 満田は勝ち越し機だった延長後半13分にPKを止められた。「シンプルに実力不足。ボールに力が伝わっていなかった」。川村は起死回生の同点弾を決めながら、PK戦では4人目のキッカーとしてストップされた。「僕の責任です」。両者とも唇を噛んだ。

 だがミヒャエル・スキッベ監督は「失敗したことに対して悔やんだり、責任を感じることはない。負けたのは彼らのせいではない。全員で負けたんだ」と擁護する。試合後にもそう伝えた。そして満田をPK戦の5人目キッカーに指名したのは「試合の中で失敗していたけど失敗経験を長くせず、早く切り替えるため」(スキッベ監督)だった。勝利を追求しつつ、選手の成長も大事にする。育成手腕に長けるスキッベイズムの本懐だった。

 視察した日本代表・森保監督も、PK戦で成功させた満田を称えた。「勇気を持って蹴りにいく姿勢は大切。ミスをしてチャレンジを止めるのではなく、チャレンジしてこそ成長する」。さらなる成長を望んだ。

 PKは運も左右する。わずかな差が明暗を分けた格好だが、この経験は必ず2人を強くする。まずは22日にはルヴァン杯決勝・C大阪戦。この日手に掴みきれなかったものを、今度こそつかみ取る。

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2022年10月16日のニュース