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【サッカー追球】久保がガーナ戦で“覚醒”した要因とは…課題も自覚「安易なボールロストあった」

[ 2022年6月11日 20:40 ]

キリン杯準決勝   日本4―1ガーナ ( 2022年6月10日    ノエスタ )

<サッカー日本代表>練習前、川島に帽子を被せようとする久保(中央右)(撮影・後藤 大輝)
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 日本代表は11日、キリン杯決勝チュニジア戦(14日、パナスタ)に備えて大阪に移動後、練習を行った。10日のガーナ戦で日本代表初得点を決めた久保建英(21=マジョルカ)はオンライン取材に応じ、2戦連続ゴールへの意欲を示した。天才ドリブラーはなぜ覚醒したのか。今後の課題は何か。「サッカー追球」で探り出す。

 久保の武器は細かなタッチでボールを操りDFをかわすドリブルだが、強引に仕掛けてボールを失うこともある。そんな孤高のドリブラーがガーナ戦では見違えるような姿を見せた。キーワードは「周囲との連動」と「シンプルなプレー」だ。

 主戦場のウイングではなくインサイドハーフで先発した21歳はウイングの堂安、サイドバックの山根と連動した。前日練習で動きを確認していた3人はポジションを入れ替えながらパス交換し右サイドから攻め込んだ。

 象徴的だったのが前半29分の先制点。山根のパスを受けた久保はライン際からカットインすると見せかけてエリア内の堂安へ。堂安の縦パスから山根がネットを揺らした。これまでなら自ら突破を試みただろうが、周囲を生かすパスを選んだ。

 データも変化を示す。ドリブルはわずか2回(成功0)に止まり、過去16試合(90分換算)の平均5・4回から激減した。逆にパスは57本で同平均43・8本から大幅増。パスで周囲を生かそうとしたことがうかがえる。

 またガーナ戦では「シンプルなプレー」を選んだ。ワンタッチパスを12本成功させ、成功率は92%。パラグアイ戦の50%から大きく改善した。無理せず簡単にボールを動かしていたことが分かる。

 新境地を開いた久保だが、インサイドハーフで先発に定着している田中や守田に比べれば守備面で物足りなさもある。自身も「後半の最後に安易なボールロストが2回くらいあった。あとは(ボールを)奪い切るところ。俊敏性とは別に強さも見せたい」と課題を自覚している。どのポジションでプレーするにしても、ガーナ戦の経験は攻守において成長の糧になるに違いない。(福永 稔彦)

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