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ロシア人オーナー・アブラモビッチ氏 チェルシー運営権譲渡 経済活動禁止可能性で“先手”

[ 2022年2月28日 05:30 ]

アブラモビッチ氏(AP)
Photo By AP

 プレミアリーグのチェルシーは26日、ロシア人オーナーのロマン・アブラモビッチ氏(55)がクラブの運営権をチェルシー財団の評議員に譲渡すると発表した。同オーナーは「現状でクラブ、選手、スタッフ、ファンの利益を守るためには彼らが適任である」と声明を出した。

 ロシアのプーチン大統領と近いとされる富豪のアブラモビッチ氏に対し、英国議会では資産を凍結すべきとの声が上がり、英国内での経済活動の禁止やオーナー権剥奪の可能性も浮上していた。今後は運営トップから身を引くが、オーナー職は続けていくという。

 アブラモビッチ氏は2003年にチェルシーを買収。潤沢な資金でスター選手を次々と獲得し、プレミアリーグを5度制覇した。昨季はオーナー就任後2度目の欧州CL優勝を果たし、今月には初めてクラブW杯も制した。今回の声明でも「オーナーになって20年間、成功すること、未来を築くことを一番に考えてきた」と訴えた。

 現地メディアは現時点でチェルシーの身売りはないと報じたが、今後のウクライナ情勢次第で状況が変わる可能性は否定できない。運営権の譲渡に対してもイメージアップを図っただけという非難の声も上がっており、クラブは27日に「チェルシーの考えはウクライナの全ての人と共にあり、クラブの全員が平和を祈っている」との声明を出した。果たして、資金力というバックボーンはどうなるのか。プレミアの強豪もまた、ウクライナ侵攻の影響にさらされている。

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2022年2月28日のニュース