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C大阪・大久保 最後まで貫き通したサッカー人生「自分らしいし誇りに思う」天皇杯で有終の美誓う

[ 2021年11月23日 05:30 ]

<C大阪・大久保引退会見>引退会見で涙をぬぐう大久保 (撮影・奥 調)
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 涙あり笑いありの大久保劇場だ。今季限りでの現役引退を表明しているC大阪の元日本代表FW大久保嘉人(39)が22日、大阪市内のホテルで記者会見を行い「本当に最高のサッカー人生でした」と21年間の現役生活を振り返った。今季はリーグ戦2試合と4強入りした天皇杯が残っており、希代のストライカーは自身初の国内タイトル獲得へ完全燃焼することも約束した。

 冒頭からC大阪のピンク色のハンカチが手放せない。大久保は目にいっぱいの涙をため「大久保嘉人は…。今シーズンをもって引退します。本当に最高のサッカー人生でした」。顔を覆い、はなをすすり何度も言葉を詰まらせた。「泣かない予定だったのに速攻で泣いてしまいました。すいません」。こみ上げる思いを止められなかった。

 J1歴代最多の通算191得点を記録したストライカー。ピッチで見せた果断な実行力は、引退に際しても発揮された。「自分はこういう性格で決めたことを曲げない」。今月16日に「ふと“ここでやめた方がいいかな”と思い、すぐ妻に伝えました」。クラブをはじめ関係各方面へ連絡し、18日には横浜の自宅で子供にも伝えた。19日に引退公表したおかげで20日に古巣の川崎F戦(ヨドコウ)で元同僚と別れを惜しむ機会ができた。

 今季は2度の肉離れ発症もあり5月以降は出場機会が減ったものの、ゴール前の嗅覚は健在で開幕5試合で5得点した。「プロになった時から引退プランがあって。自分が動けるうちに“まだできる”と言われるうちに、やめたい」。美学を貫いた。あと9に迫る通算200得点についても「誰よりも取りたい気持ちは強かった。今は気持ちの整理がついてスッキリしている」と未練を示さない。貪欲に勝利を求め、激しすぎるプレーや言葉が注目されることも。J1通算の警告数104も歴代最多だ。「レフェリーや審判団には迷惑をかけたので、そこは謝りたい。サッカーをやる時は負けず嫌い。そこを貫き通せたのが自分らしいし誇りに思う」と笑わせた。

 チームは天皇杯で準決勝進出している。「日本でチームのタイトル獲っていない自分に最後のチャンスがある。優勝して喜び合いたい」。野性味あふれるプレーで最後まで勝負にこだわる。(原口 公博)

 ◇大久保 嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日生まれ、福岡県出身の39歳。苅田SSSから国見中、国見高を経てC大阪加入。神戸、川崎F、FC東京、磐田、東京V、マジョルカ、ウォルフスブルクにも在籍。J1通算475試合出場191得点、J2通算48試合出場18得点、国際Aマッチ通算60試合出場6得点。家族は莉瑛夫人と長男・碧人(あいと)さん、次男・緑二(りょくじ)くん、三男・橙利(とうり)くん、四男・紫由(しゆう)くん。1メートル70、73キロ。利き足は右。

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