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12日開幕、WEリーグにカズ出てこい!播戸理事が挙げる成功のカギはスター台頭「全員にチャンス」

[ 2021年9月12日 05:30 ]

三菱重工浦和・塩越
Photo By スポニチ

 国内初のサッカー女子プロリーグ「WEリーグ」が12日、各地で開幕する。初年度は財政基盤や地域性などを踏まえて、特色のある“オリジナル11”でスタート。今夏の東京五輪に出場した日本代表「なでしこジャパン」をはじめ、個性的な選手がリーグを彩る。元日本代表FWで、今年2月からWEリーグ理事を務める播戸竜二氏(42)がリーグ成功の鍵を握る「注目ポイント」を挙げた。

 1989年に女子の国内リーグ「日本女子サッカーリーグ」が創設されて32年。日本女子サッカー界が、ついに新たな一歩を踏み出す。播戸理事は「大きな一歩だが、100年200年続くようなリーグになっていくうちの第一歩です」と語った。

 従来のリーグでプロ契約は一握り。大半が仕事と両立していたが、競技により集中できる環境となった。同時に結果を出さなければ職場を失う世界になる。「毎試合がW杯の決勝や!と思えるか」。観客に響く魂のプレーができれば、目標の平均観客動員数5000人も見えてくる。

 「少女の憧れ」になれるか。女子サッカー選手が「職業」となったことで、少女たちの夢ができた。自身もJリーグ開幕当時、FW三浦知良に憧れていた。「あんなんになりたい!って。シンプルにそれだけですよ。憧れる選手に、それぞれがなっていかないといけない」と、選手には使命感を持ってプレーしてほしいと訴える。

 プレー以外にも重要なのは「スターの出現」。Jリーグ草創期にはカズ、ラモス瑠偉ら顔となる存在がいた。「スターと言われる選手はエンターテインメントでもある。ちょっと面白いことを言えたりでもいい。全員にチャンスがあるので、出てこい!ですね」と熱っぽく語った。

 「プロ」となり、選手の背負うものが増えた。その責任や重圧がエネルギーとなり、昨季までの国内リーグ以上に激しい試合展開が予想される。「なでしこジャパンが強くなっていくためには必要なこと」と、播戸氏。WEリーグが再び世界一を目指すなでしこの強化にもつながると期待している。

 ◇播戸 竜二(ばんど・りゅうじ)1979年(昭54)8月2日生まれ、兵庫県出身の42歳。琴丘高から98年に練習生としてG大阪に加入。その後は札幌、神戸、G大阪、C大阪、鳥栖、大宮、琉球に所属。Jリーグ通算396試合109得点。日本代表では国際Aマッチ7試合2得点。19年9月に引退し、現在はJリーグ特任理事も務める。公開中の映画「孤狼の血 LEVEL2」では俳優デビューも果たした。

 【WEリーグアラカルト】

 ☆年間順位 ホーム&アウェー方式による2回戦総当たり(全22節全110試合)で、リーグ戦が終了した時点の勝ち点で順位を決める。優勝賞金は2000万円。

 ☆開催期間 欧州のリーグに合わせた「秋春制」を採用。

 ☆昇降格 当面降格はなく、段階的にクラブ数を増やす方針。

 ☆理念推進活動 クラブ数が奇数のため、節ごとに試合のないクラブ(各年2回)はWEリーグの理念を体現する活動を行う。第1節は千葉が、千葉市初の女性副市長となった川口真友美さんとともに公開討論会を実施。

 ☆プロ契約 1クラブ15人以上とのプロ契約が必要。最低年俸270万円。

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