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王者・川崎F「復興応援試合」で圧巻ゴールラッシュ クラブ初のJ1開幕3連勝

[ 2021年3月7日 05:30 ]

明治安田生命J1第2節第1日   川崎F5-1仙台 ( 2021年3月6日    ユアスタ )

後半、サポーターの横断幕の前でボールを競り合う選手たち(撮影・西海 健太郎)
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 明治安田生命J1リーグは6日に各地で8試合が行われ、連覇を狙う川崎Fは敵地で仙台と対戦し5―1で大勝した。東日本大震災から10年を迎える節目の今季、震災後のリーグ再開初戦と同カードとなった一戦は、「多くのゴールで被災地を元気づけたい」と臨んだ王者が圧倒的な強さを発揮。エースFW小林悠(33)の2得点などでクラブ史上初のJ1開幕3連勝を飾った。

 「震災応援試合」と銘打たれた一戦は、王者のゴールラッシュとなった。前半12分の小林の今季初得点となる先制点を皮切りに、前半だけで4得点。終わってみれば5ゴールを奪っての大勝に、「復興を含め、サッカーで(被災地を)どれだけ元気づけられるか」と選手をピッチに送り出した鬼木監督も「選手は本当に良い力と良い姿勢を見せてくれた」と満足げに振り返った。

 多くの被害者を出した東日本大震災発生から約10年。今も継続的な復興支援を続けている川崎Fも、特別な思いを持って臨んでいた。仙台とは震災後のリーグ再開初戦でも対戦。10年前はホーム等々力が舞台だったが、当時もコーチとしてベンチ入りしていた鬼木監督は「今回の試合をきっかけに、まだまだ(震災を)忘れずにみんなで協力していろんなことができれば」と言う。そんな指揮官の思いに選手もピッチで応えた。

 指揮官は3日のC大阪戦から先発を6人入れ替え。前半から攻撃的な姿勢で相手を圧倒した。1―0の前半25分には、新戦力のFW遠野がJ1初ゴールとなる追加点。後半こそ意地を見せた相手に押し込まれる場面もあったが、終わってみれば昨年11月のG大阪戦以来となる5得点で快勝。小林は「一生懸命にやっている姿を東北の方たちに見せられたと思っています」と振り返った。

 チームはこれでクラブ史上初となるJ1開幕3連勝。特別なゲームで再びその強さを示し、被災地に勇気と多くのゴールを届けた。

 ▽2011年4月23日の川崎FVS仙台(等々力) 大雨の中で行われ、川崎Fは前半37分にDF田中裕が右足で流し込んで先制。1点を追う仙台は後半28分にMF太田の右足シュートが、相手の足に当たって同点に追いつく。仙台は川崎Fの波状攻撃を体を張って守ると、後半42分にセットプレーからDF鎌田が頭で勝ち越しゴールを挙げた。試合後のインタビューで、仙台の手倉森監督は涙で何もしゃべれなかった。

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