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Jリーグ 試合前集合写真は通常配列に、7日ルヴァン杯決勝で新技術の実証実験

[ 2020年11月2日 18:55 ]

村井チェアマン
Photo By スポニチ

 Jリーグは2日に実行委員会を開催し、新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインの改正を発表した。これまで、試合前の集合写真の撮影は「社会的距離」を保ちながら行われていたが、今月7日より通常の配列に戻す。ただし、掛け声や肩を組む行為は禁止とし、隣や前後の選手同士がぶつからないよう配慮する。

 また、今月7日のルヴァン杯決勝(柏―FC東京、国立競技場)で新技術の実証実験を実施することを発表した。リーグオフィシャルテクノロジーパートナーのNTTグループ、国立研究開発法人産業技術総合研究所の協力のもと、スタジアム入退場ゲートを撮影する定点カメラ5台を設置。個人が特定できない程度の解像度で計6項目のデータサンプルを採り、今後のウィズ・コロナ環境で安心したスタジアム観戦を行えることを目指す。

 (1)モバイル空間統計(NTTグループ連携) 個人が特定できない範囲で、ドコモユーザーの試合後のスタジアム周辺の人口を調査。人の流れを追い試合終了後の混雑、または移動状況を分析する。
 (2)ゲート映像リアルタイム配信(同) スタジアムへの入退場ゲートの映像を撮影し、Jリーグ公式YouTubeやスタジアム・ビジョンを通じて配信。2万数千人の観客のスムーズな入退場を目指す。
 (3)ゲート人流の計測(産総研連携)ゲートでの観客同士の距離を経時的に測定する。
 (4)観客席の行動推定(同) 観客席を撮影した映像から人の位置を推定し、観客同士の距離、拍手や万歳など10種類程度の行動、マスク着用の有無を調査する。
 (5)二酸化炭素濃度推定(同) 空気のよどみ具合を調査。観客席、コンコース、トイレ、売店など、スタジアム各所の濃度が時間帯に応じてどう変化するを計測する。
 (6)現地踏査(同) カメラがカバーできない場所も含めて専門家がスタジアム内各所の混雑、密集などの状況を確認する。

 すでに、7日の決勝は収容50%にあたる2万5000人弱の入場券が完売。今季のJリーグ公式戦では最多の入場者数となる見通しとなった。観客数の規制緩和以降も、リーグは観客動員に苦戦。調査ではスタジアム観戦に行きたくても、家族から承諾が得られずに諦めるという声もあったという。それだけに、リーグとしてはルヴァン杯決勝で安全開催の成功が、今後の観客動員への何よりのアピールとなる。村井チェアマンは「すべての総力を結集して、準備を進めていく」と決意を語った。

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2020年11月2日のニュース