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【川崎F歴代担当記者が語る“引退”憲剛の素顔(2)】非の打ちどころがない“口達者”

[ 2020年11月2日 05:30 ]

川崎F・中村憲剛 電撃引退発表 ( 2020年11月1日 )

18年5月 西城秀樹さん追悼
Photo By スポニチ

 後にも先にもこれほど良い意味で“口達者”な選手は見たことがない。試合であれだけアドレナリン全開のプレーを披露しながら、試合後のミックスゾーンでは冷静かつ沈着にゲーム内容を解説。その言葉の一つ一つが端的で、「なるほど!」と謎が解けたように分かりやすい。記者にとってこれほどありがたいことはなかった。

 さらに驚きは、記者側が引き出したいコメントを瞬時に嗅ぎ分け、非の打ちどころのない返答をしてくれる点だ。しかも常にユーモアにあふれ、時に「こういうことを聞きたいんでしょ?」と見透かされてしまうから、良い意味で覚悟して取材に臨まないといけないのが中村だった。

 「天は二物を与えず」などと言われるが、中村に限ってはそれが当てはまらない。そう思わされるほど、その発信力が並外れていた。引退後はそれこそ解説者としては引っ張りだこだろう。第二の人生も現役時代と同じくらい輝いたものになると確信している。(17年~川崎F担当・垣内 一之)

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2020年11月2日のニュース