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リバプール30季ぶりV 南野 途中加入で日本人4人目となるプレミア王者に

[ 2020年6月27日 05:30 ]

30季ぶりの優勝を決め、本拠地アンフィールド前でお祭り騒ぎのリバプールサポーターたち(AP)
Photo By AP

 イングランド・プレミアリーグで日本代表FW南野拓実(25)が所属するリバプールが30季ぶりとなる悲願の優勝を決めた。28勝2分け1敗の勝ち点86。勝ち点23差の2位マンチェスター・シティーが25日に敗れたため、7試合を残して19度目(史上2位)のリーグ制覇が確定した。92年発足のプレミアリーグでは初V。1月に加入した南野は日本人選手4人目の同リーグ優勝を果たし、ザルツブルク(オーストリア)時代を含め自身リーグ6連覇を達成した。

 名門の完全復活を告げる30季ぶりのリーグ制覇。ホテルに集まってテレビ観戦していたリバプールの選手たちは、優勝が決まると喜びを爆発させた。7試合を残してリーグ最速Vを決めた伝説のメンバーに名を連ねた南野は、優勝決定直後に自身のインスタグラムにチームの優勝画像を掲載。優勝カップの絵文字で喜びを表現した。

 世界最高峰リーグで日本人選手の優勝は、01~02年MF稲本潤一(アーセナル)、12~13年MF香川真司(マンチェスターU)、15~16年FW岡崎慎司(レスター)に続く4人目の快挙。昨季の欧州王者に1月に加入し、出場5試合だが、クロップ監督は「彼は本当に変わった」と新型コロナウイルスの感染拡大による中断期間が、南野にとってはプラスに働いたと評した。

 「選手がいなければ何も成し遂げられなかった。こんな感情になるとは思わなかった」と指揮官は歓喜の涙。香川を擁したドルトムント(ドイツ)でリーグ連覇し、15年に就任したドイツの名将はオープンな人柄で選手と強い信頼関係を築き、主将のMFヘンダーソンは「優勝はクロップなしではありえなかった。就任初日から全てが変わった。全員がついてきた」。プレス主体の戦術を浸透させ、補強も成功した。

 クロップ監督は「ケニー(ダルグリッシュ)、スティーブ(ジェラード)、皆にささげたい」と前回優勝指揮官、13~14年に痛恨のミスで優勝を逃したレジェンドらとも喜びを分かち合った。強力3トップのサラー、マネ、フィルミノ、守備の要のDFファンダイクら世界屈指の名手は20代後半の円熟期。そこに南野が適応を始めた。70~80年代に4度欧州を制覇した名門が、雌伏の時を経て新たな黄金時代を迎えた。

 ▽リバプールFC 1892年創設。本拠地は英国北西部マージーサイド州リバプール。10年に米大リーグのボストン・レッドソックスを傘下に持つニューイングランド・スポーツ・ベンチャーズが買収。リーグ優勝19回は、マンチェスターUの20回に次ぐ史上2位。昨季は欧州チャンピオンズリーグで6度目の優勝。FA杯優勝7回、リーグ杯優勝8回。チームカラーは赤で、愛称はレッズ。ホームスタジアムはアンフィールド(5万3394人収容)。

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