甲府 井尻真理子スポンサー営業副部長 地域密着で「愛情感じた」スポンサーの輪

[ 2020年5月9日 05:30 ]

再開を待つJな人々

スポンサーの店でテークアウトした弁当を食べる井尻副部長
Photo By スポニチ

 親会社を持たない市民クラブは、新型コロナウイルス感染拡大の影響でさらに厳しい状況に置かれている。元々厳しい経営環境だが、スポンサー営業を担当する井尻真理子副部長は「スポンサーも大変。その中で人が人をつないでくれる。地域の人の愛情を感じます」と振り返った。

 例年ならこの時期、スポンサーを回ってコミュニケーションを取ったりスタジアムで行うイベントの打ち合わせをするが、今年は顔を出すことはできない。電話で連絡を取るぐらいだ。

 甲府はJリーグ最多の約260社のスポンサーが付いている。地域の企業が多く、1社あたりの額も安いが、クラブを思う気持ちは強い。本業が厳しく、一度は「やめたい」と言ってきた会社がクラブの窮状を聞いて再検討に入った。別の会社は「私のところも苦しいがヴァンフォーレも大変。うちもクラブも存続しないと」と入金してきた。ある会社社長は子供が大病で入院したときに甲府の選手に励まされたことから「今度は私の番」と新規契約。「こんな時期でみんな大変なのに」と井尻さんも大感激だ。

 スポンサー同士の横のつながりも甲府ならでは。試合の日にスタジアムで花を販売していた会社が、試合がなくなり困っていることを聞いた他のスポンサーが店頭で販売した。新規スポンサーを紹介してくれた会社やサポーターが勤務している会社の社長を「応援してくれるかも」と紹介してくれたこともある。さらにクラブでもスタッフがスポンサーの飲食店の弁当をテークアウトし、会社で食べている。SNSで発信したところ評判となり弁当が多数売れたという。輪は以前より広がっている。

 激動の2カ月、井尻さんは「秋にはクラブがどうなっているか。でも、今まで地域と密着して貢献活動をしてきたことが役立った」と、地域密着のあり方をかみしめた。

 ◆井尻 真理子(いじり・まりこ)1974年(昭49)10月16日生まれ、甲府市出身の45歳。山梨英和高から早大を経て、2002年にヴァンフォーレ甲府のスタッフに。広報部、事業部などを経て現在は営業部副部長。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「日本代表(侍ブルー)」特集記事

2020年5月9日のニュース