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Jリーグ再開無期限延期危機 「無観客案」なども全て却下 リーグ成立条件「75%消化」は…

[ 2020年4月4日 05:30 ]

プロ野球とJリーグが設置した「新型コロナ対策連絡会議」の第5回会議(Jリーグ提供)
Photo By 提供写真

 新型コロナウイルス感染拡大で公式戦を中断しているJリーグは3日、臨時実行委員会を開き、J1再開は早くても6月以後とすることで合意した。当初、目指した5月9日再開は無期限延期となり、再々延期が確定。日本野球機構(NPB)との対策連絡会議では3人の専門家からも終息の予測は困難との声が上がり、再開は見通せなくなった。

 Jリーグが「無期延期」の様相を呈してきた。深刻さを増すコロナ禍。村井チェアマンは緊急の実行委員会を実施し「少なくとも1カ月以上の間隔を空けての再開に向け、協議することで合意した」と明かした。J1が5月9日、J2は同2日再開、J3は4月25日開幕を目指してきたが、完全に白紙。再開は見通せない状況だ。

 NPBとの対策連絡会議では専門家3人から非常事態宣言が発令された。今がまん延期、ピークは4~5月とされ「4月末の開催は困難。ではいつか?というのは分からない。5月末ならば何とか…と考えます」と厳しい見解。無観客試合や感染未確認エリアでの開催、比較的規模の小さいJ3から段階的な再開案も全て選手の移動など感染リスクが伴うとされ、Jリーグの再開案は却下された。

 神戸のDF酒井ら複数の選手から感染者が出た今、危機レベルは一段上がった。村井チェアマンは今後も「大会の骨組みを変えずできる余地を検証する」と話すが、6月再開でも全日程消化には1カ月に6、7試合が必要。再開がさらに遅れればリーグ成立条件の全体75%消化は極めて困難。当然、ルヴァン杯の縮小など、大会方式の変更も迫られる。

 中断期間は3カ月を超える。Jリーグではコロナ対策に特化した融資制度を設立したが、各クラブとも財務面の圧迫は避けられない。関係者によればリーグ戦70%以下の消化では17年に10年2100億円で締結したDAZNとの放送権契約にも問題が生じるという。Jリーグはかつてない危機に直面している。

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