NPBとJ、新型コロナ対策で異例の連携 専門家チーム置き情報収集&対策協議
Jリーグは日本野球機構(NPB)と両法人共同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」を3日に設立することを発表し、2日に都内で共同会見を開いた。3日に第1回目の会議を行う。
Jリーグを代表して出席した村井満チェアマンは「スポーツのみならず、国民の皆様の脅威となっている新型コロナウイルスに対して連携して対応していく所存でございます」とあいさつ。「スポーツには国民の皆様に、ある意味で夢や希望、活力を与えることができる可能性を持っている。一方で大変多くのお客様をスタジアムにお迎えすることもあり、国民の健康に対するリスクも我々自身が持っていることも十分に認識しなければならないと考えている中、今回専門家のご助言もいただきながら様々な角度から十分な検討を重ねて今後の試合運営に臨む。政府の見解等々慎重に耳を傾けながら、情報の収集を進めていきたい」と話した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、Jリーグは2月25日に、2月26日のルヴァン杯1次リーグ第2節から3月15日までのJ1、J2、J3全94試合を延期することを理事会で決定。その際、理事の中から「有識者の専門的な意見をいただくべき」という意見が出たという。同日にNPBに連絡すると、同様の問題を抱えていることが発覚。Jリーグ側から今後の連携を働きかけたことが会議設立のきっかけとなった。
「新型コロナウイルス対策連絡会議」設立の目的は「新型コロナウイルスの感染状況を的確に収集・分析した上で、試合の開催やスタジアム運営の在り方及び、選手等の感染防止に関する情報や対策等を両法人間で正確に共有し、両法人それぞれの適正な判断に資すること。併せて、プロ・アマを問わず多数の観客を集める競技団体等に対しても、両法人で共有した情報を広く公開し、我が国のスポーツ界全体の対応力の強化を目指す」としている。
会議には賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部感染症学教室特任教授、東北大学名誉教授)ら3人による「専門家チーム」を設置。Jリーグは村井満チェアマンとJリーグ理事・特任理事9人、日本協会3人、NPBは斉藤惇コミッショナーと12球団代表者が参加する。
専門家チームへの委託事項は以下の6つ。
(1)新型コロナウイルスの感染に関する情報の収集・分析
(2)スタジアムにおける観客対策に対する助言
(3)選手はじめチームスタッフの感染防止策に関する助言
(4)公式戦開催についての助言
(5)3月中旬をめどに、上記各項を踏まえた意見書の取りまとめ・答申
(6)その他関連する事項
一方で、プロ野球とJリーグは歴史や文化、大会形式や試合頻度等も異なることから、全ての意思決定は、連絡会議で得た知見をもとに、それぞれが独自に行う。
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