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ハリル監督リレー銀に学ぶ「和」重視 ブチギレ金崎無期限追放

[ 2016年8月26日 05:30 ]

C・ロナウドの写真の前でフィジカルの大切さを語るハリルホジッチ監督

W杯最終予選代表24選手発表

 日本協会は25日、W杯アジア最終予選UAE戦(9月1日、埼玉)、タイ戦(同6日、バンコク)に向けた日本代表24選手を発表した。バヒド・ハリルホジッチ監督(64)は当初は構想に入っていたFW金崎夢生(27=鹿島)を所属クラブでの問題行動を理由に無期限で“追放”することを明言。和を乱す選手に厳しい態度を示すことで、6大会連続のW杯出場を目指すチームの引き締めを図った。

 規律を重視するハリルホジッチ監督が、問題行動を見過ごすはずがなかった。代表発表会見でリストに掲載されていない金崎の名前を自ら切り出し「リストに入っていたが、日本代表の候補があのような態度をとってはいけない。彼の態度は私には受け入れ難い。A代表の基準には達していない行動」と痛烈に批判。「この先のことは全く考えていない」と無期限で代表から追放する方針を打ち出した。

 問題行動が起きたのは20日の鹿島―湘南戦。途中交代にブチ切れた金崎は、石井監督の手をはねのけて握手を拒否。指揮官に怒声を浴びせた。試合翌日に謝罪したが、目に余る激高ぶり。11年にはU―21日本代表の練習中に柴崎と口論になり、つかみ合いになった過去もある。精神的な未熟さがA代表にふさわしくないと判断された。

 金崎は昨年11月12日のシンガポール戦で約5年ぶりに代表復帰。W杯アジア2次予選3試合2得点と結果を出していたが、ハリルホジッチ監督はチームの和を重んじた。リオ五輪陸上で銀メダルを獲得した男子400メートルリレーを例に出し「米国は1人なら速いが、4人なら日本の方が速かった。組織になれば日本は何でもできる」と強調。この哲学が、金崎への厳しい対応につながった。

 初戦の相手UAEは約2カ月に及ぶ合宿を実施中。日本は15年1月のアジア杯準々決勝で敗れており油断はできない。ハリルホジッチ監督はUAEの合宿に偵察スタッフを派遣して徹底分析。欧州組の移動を考慮して、試合を2日に変更することを画策したが、かなわなかった。「本当に厳しい戦いが始まる。誰もW杯出場権はくれない。野心を持って取りにいく」。ロシア切符を勝ち取るため、妥協は許さない。 

 ▽途中交代に握手を拒否 鹿島FW金崎の問題行為 20日の湘南戦で先発した鹿島の金崎だったが、0―0のまま迎えた後半25分にFWファブリシオと交代を告げられて激高した。ピッチからベンチに戻る際、石井監督との握手を拒否。激しい剣幕で指揮官に向かって悪態をつき、その場にいたクラブスタッフに押さえられた。クラブは金崎を厳重注意とした。

 ▽リオ五輪の男子4×100メートルリレー 山県、飯塚、桐生、ケンブリッジの順で臨んだ日本は国別のベスト記録で世界歴代3位の37秒60で銀メダルを獲得。自己ベストが9秒台の選手は一人もいないが、独自のアンダーハンドパスの技術を磨き、銅メダルだった08年北京五輪以来2大会ぶりのメダルだった。

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