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ジダン氏 レアル新監督就任!ペレス会長「彼に“不可能”はない」

[ 2016年1月6日 05:30 ]

レアル・マドリードのジダン新監督(中央右)とC・ロナウド(中央左)(AP)

 スペインの強豪レアル・マドリードは4日、今季就任したラファエル・ベニテス監督(55)を成績不振のため約7カ月で解任し、後任にクラブOBでBチーム(2軍)の監督を務める元フランス代表MFのジネディーヌ・ジダン氏(43)が昇格すると発表した。ジダン新監督は会見でリーグ3位に沈む名門を再建し、就任1年目からタイトルを勝ち取ることを宣言。一夜明けた5日に練習を初指導した。

【リーガ・エスパニョーラ順位表】

 欧州CL最多10度の優勝を誇る名門の再建は、トップチームを率いた実績のないスターOBに託された。4日に本拠地サンティアゴ・ベルナベウで行われた就任会見。青いチェック柄のスーツ姿で臨んだジダン新監督は「選手として契約した時より感情が高ぶっている。シーズン最後にタイトルを勝ち取るために全身全霊を尽くす」と時折笑みを浮かべながら、流ちょうなスペイン語で所信表明した。

 選手としての実績は申し分ない。アルジェリア系移民2世のジダン氏は「マルセイユ・ルーレット」(1回転するドリブルフェイント)など卓越した技術でフランス代表の10番を背負い、98年W杯初優勝に貢献。01~06年にプレーしたRマドリードではロナウド、ベッカムらと「銀河系軍団」と呼ばれた黄金期を築き、02年に優勝した欧州CL決勝では伝説の左足ボレーを決めた。一方で引退試合となった06年W杯決勝イタリア戦で、挑発を受けた相手DFマテラッツィの胸を頭突きして退場処分というショッキングな事件も起こした。

 ただし指揮官としての手腕は未知数だ。Rマドリードで10年からスポーツディレクターなどを経て、13~14年にアンチェロッティ監督の下でコーチを務めた。14年からはBチームを指導。昨年5月に監督就任に必要なUEFAプロライセンスを取得したばかりでトップチームでの監督経験はない。それでも、ペレス会長は「彼はサッカー史で最も偉大な人物の一人で、Rマドリードを率いる重責を知っている。ここは彼の家であり、マドリデイズム(マドリード主義)を理解している。ジダン氏に“不可能”という言葉は存在しない」と大きな期待を寄せた。

 初陣となる9日のラコルニャ戦に向け、5日に初練習。6000人近いサポーターが駆けつけ、新監督に対する期待の大きさを感じさせた。練習後の会見では「攻撃的だが、バランスの取れたサッカーをしたい。ベイル、ベンゼマ、C・ロナウドを引き続き3トップで使うつもりだ」と戦術面について言及。さらに「勝利がこのクラブの伝統。11回目の欧州CL制覇が最大の目標だ」と欧州制覇を宣言した。昨年11月のクラシコで宿敵バルセロナに0―4で大敗するなど、国内リーグ3位に沈む白い巨人。名門復活の鍵は、ジダン新監督が握っている。

 ◆ジネディーヌ・ジダン 1972年6月23日、マルセイユ生まれの43歳。フランス1部カンヌで89年5月に16歳でプロデビュー。92年ボルドー、96年ユベントス移籍を経て、01年に当時史上最高の移籍金6600万ユーロ(約81億円)でRマドリードへ。フランス代表は94年にデビューし、通算108試合31得点。98年W杯優勝、00年欧州選手権優勝。FIFA最優秀選手賞3回(98、00年、03年)、欧州年間最優秀選手賞(バロンドール)1回(98年)。

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