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久我山 初の4強進出!FW内桶“鳥肌弾”で7年前の雪辱果たす

[ 2016年1月6日 05:30 ]

前橋育英に勝利し、応援スタンドに向かってガッツポーズする・内桶(右端)ら国学院久我山イレブン

第94回全国高校サッカー第5日

(1月5日 駒沢ほか)
 準々決勝4試合が行われ、4強が出そろった。国学院久我山(東京A)は前回大会準優勝の前橋育英(群馬)を1―0で撃破し、同校初の準決勝進出。FW内桶峻(3年)の初戦以来3試合ぶりのゴールが決勝点となり、08年度大会で4強入りを阻まれた相手に雪辱を果たした。富山第一と対戦した青森山田(青森)は高橋壱晟(いっせい、2年)の1点を守り切り、6大会ぶりのベスト4に進出した。全国4144校の頂点に立つまであと2つ。準決勝は9日、埼玉スタジアムで行われる。
【試合結果 トーナメント表】

 7年前のリベンジを果たし、歴史を塗り替えた。勝利の立役者は内桶だ。0―0の後半12分、右サイドで渋谷のパスを受けるとドリブルでペナルティーエリア内に進入し、右足を一閃(いっせん)。ニアサイドに強烈な一撃をぶち込み、待望の先制点をもたらした。

 「思いきり振り抜こうとコースは狙わず強く蹴った。(得点後は)鳥肌が止まらなかった。サッカー人生でああいうシュートは決めたことがなかったので、とても驚いています」。1回戦の広島皆実戦に続く決勝弾。試合前に李済華(イ・ジェファ)前監督から受けた「思い切り振り抜いてこい」という助言を守り、かつて4強入りを阻まれた前橋育英を退けた。

 発奮材料があった。この日の朝、3年生部員のグループLINE(ライン)に、控えの3年生が制作したメッセージ動画が投稿された。「みんなで絶対に埼スタに行こう」「9、11日の塾は(応援のため)振り替えたから」――。控え選手のメッセージを見た内桶は「朝から泣いてしまった」という。「うれしかった。あいつらのために絶対勝たないといけない」。強い思いがあったからこそ、終盤猛攻を浴びても全員が体を張り、虎の子の1点を守りきった。

 昨年の全国総体1回戦でチームは明徳義塾(高知)に1―2で敗戦。総体後に行われた4泊5日の群馬合宿では、酷暑の中で連日1日2試合の練習試合をこなした。例年なら1試合目と2試合目の間は休憩にあてるが、昨年はその間も筋トレなどを行い「今まで経験したことがないくらい追い込んだ」(宮原主将)。イレブンは体力面でも精神面でもたくましくなり、今大会はここまで全て1点差以内の決着。就任1年目の清水監督は「精神的に弱い選手が物凄くタフになった」と目を細めた。

 準決勝の相手は青森山田に決まった。慶大法学部を第一志望に掲げ大会後に一般受験を控える内桶は「(準決勝まで)3日空くので少し勉強に取り組まないと」と苦笑いしつつも「ここまで来たら優勝を狙いたい」。国学院久我山の冬はまだ終わらない。

 ◆内桶 峻(うちおけ・しゅん)1997年(平9)10月1日、埼玉県さいたま市出身の18歳。北浦和SSSでサッカーを始め、グランデFCを経て国学院久我山に進学。好きな選手はベルギー代表MFアザール(チェルシー)。将来の夢はサッカージャーナリスト。50メートル走6秒8。1メートル73、64キロ。

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