川澄　準決で再び輝き！“神アーリー”から劇的Ｏ・Ｇアシスト

＜日本・イングランド＞ファンの声援に手をふりながらピッチを後にする川澄

女子Ｗ杯準決勝 日本２―１イングランド

（7月2日 エドモントン）
　“準決勝の女”が、同じ舞台で輝きを放った。１―１の後半ロスタイム、右サイドに開いた川澄に熊谷からロングフィードが送られる。スピードに乗り、ドリブルを刻みながら中央の味方を確認。「クロスを上げにいこうと思って、ボールを前に運んだ」。深くまでは切り込まず、右足でアーリークロス。低い弾道のボールは、バセットのオウンゴールを誘発した。

　「アーリーでＤＦラインとＧＫの間に通せば絶対、触ってコーナーになったりとか、味方が触ってくれたり、あわよくばああいう形になるかなって。結果的にオウンゴールを誘うことができた」

　前回大会のスウェーデンとの準決勝では、先発に抜てきされて芸術的なループ弾を決めるなど２得点。今回も勝利の立役者となった。「きょうのクロスに関して事故みたいなところがある。こじつけっぽい感じではなくて、スカっとした感じなら準決勝の女って感じで良かったかもしれないけど」と笑った。

　４年前の準決勝でブレークし、夢を追う立場から与える立場になった。小学６年生の時、日本代表選手と交流する機会のあった川澄は澤の膝の上で写真に納まった。その写真は今でも持っている。「憧れの選手と一緒にプレーできているのは感謝すべきこと」。憧れの存在がいたから今の自分があると痛感した。カナダ入り前には、母校・大和市立中央林間小の児童から手作りのお守りをもらった。「川澄選手、ガンバレ！」と書かれた金色のお守りは、バッグに飾っている。Ｗ杯開幕後も毎日ブログを更新。「ファンの方に　少しでも女子サッカーの魅力を伝えられればな、というのがある」。期待してくれる人たちに、ピッチ上でも責任を果たした。

　決勝は米国が相手。昨季は半年間、シアトル・レインに期限付き移籍し、ゴールへ迫る動きを叩き込まれた。「チームメートもいますし対戦した選手もいる。相手の特徴も分かっていることも多いので、そういうのも生かしていけたら」。再び輝きを放ったシンデレラが、最終決戦でも存在感を示す。