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宮間 信頼のPK弾!五輪の雪辱へ闘志「W杯は渡さない」

[ 2015年7月3日 05:30 ]

<日本・イングランド>前半、PKを決めた宮間は控えメンバーと喜びを分かち合う

女子W杯準決勝 日本2―1イングランド

(7月2日 エドモントン)
 どんな状況でも主将は冷静だった。前半33分、有吉が倒されて得たPKを蹴るのは宮間だ。ゆっくりと助走し、一瞬、スピードをつけようとフェイクを見せる。緩急でGKをじらす駆け引きで相手が先に動いた。「イングランドは後ろにいる選手がGKに“動くな”と言っていたが、相手の方が早く動いてくれた」。右に跳んだGKの真逆の左隅にゴロのボールを蹴り込み、劇的勝利につながる先制点を挙げた。

 準々決勝までの全7得点を異なる選手が決める日替わりヒロインが続いたが、宮間が初めての複数得点だ。1次リーグ初戦のスイス戦、安藤が負傷しながら得たPKに続き、同じコースに決めてみせた。味方が体を張ってくれたからこそ、ゴールがある。「勝利だけでなく仲間も信じられている。それが私たちの強み」と、勝ち誇った。

 連覇のために、ひたすら突っ走ってきた。4年前。初の世界制覇を決めた夜、ホテルで振る舞われたビールに少しだけ口を付けた。「おいしかった」と感慨に浸ったのは一瞬で、すぐに連覇への道筋を考えた。「ボールを奪った後に簡単に失わないボールの動かし方や、ボールを保持するテクニックが必要」。優勝後に痛感した課題を克服するため、四六時中、サッカーのことを考えた。若手に厳しい言葉だって掛けた。だからこそ決勝進出にも満足はない。「ホッとはできない。W杯を絶対、掲げてやると思っている」と言い切った。前回の決勝では自らゴールも決めてPK戦の死闘を制したが、12年のロンドン五輪では1―2で敗れて銀メダルに終わった。「楽しみというよりは、五輪では金メダルを持っていかれた。W杯は渡さない」。百戦錬磨の主将は決勝でのリベンジに燃えている。

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2015年7月3日のニュース