ＰＫ直前に地震で一時中断…武藤「正直、ちょっと蹴りたくなかった」

＜ＦＣ東京・柏＞後半、ＦＣ東京・武藤（右端）がＰＫを蹴る直前に地震で試合が一時中断に

Ｊ１第１Ｓ第１４節 ＦＣ東京２―１柏

（5月30日 味スタ）
　前代未聞の場面だった。同点の後半２０分過ぎ、ＦＣ東京の日本代表ＦＷ武藤嘉紀（２２）がペナルティーエリア内で倒され、ＰＫを得た。

　「（地震中断直後で）正直、ちょっと蹴りたくなかったんですけど…。自分に任せてくれたチームメートのためにも、きょうは決められて良かった」

　ボールがセットされ、柏のＧＫ菅野と一度は対峙（たいじ）した。だが、その場面で関東地方を襲った震度５強の地震が発生。試合は約２分の中断を挟んで再開される。後半２３分、仕切り直しとなった武藤は菅野の左手をはじき飛ばす強烈な一撃でゴールネットを揺らした。

　「狙って止められると悔いが残る。思い切り蹴り込みました」と安どの笑みを浮かべた。

　試合後にはマインツへの移籍が正式に発表された。ヒーローインタビューは発表前だったが、それを意識したかのように「ＦＣ東京のためにファーストステージ最後まで全力を尽くして、全勝でいきたいと思います」と力を込めた。