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柿谷 4年後へ涙の決意表明「W杯で日本の中心選手に」

[ 2014年7月10日 05:30 ]

バーゼルへの移籍を発表し、ポーズを決める柿谷

 スイス1部バーゼルへの完全移籍が決まったC大阪の日本代表FW柿谷曜一朗(24)が9日、大阪市内で移籍会見を開いた。グループリーグ敗退となったW杯ブラジル大会では、途中出場の2試合に終わり、世界との力の差を痛感。欧州チャンピオンズリーグ(CL)にも出場する新天地で心身ともに鍛え上げ、4年後のW杯ロシア大会に日本代表の主力として臨む決意を語った。

 簡単な決断ではなかった。スイス1部バーゼルへの移籍会見。濃いグレーのスーツ姿で壇上に上がった柿谷は、目に涙を浮かべながら思いを語った。「(移籍の)理由はたくさんあるけど、W杯を経験して、個人的としてもチームとしても日本の力を世界に示せなかった。中心選手として試合に出たい。その気持ちが強くなったのがひとつ」。4歳から下部組織で育ったC大阪との別れ。思い知らされた世界との距離感が、24歳の背中を押した。

 グループリーグ敗退に終わったW杯ブラジル大会。自らは途中出場の2試合にとどまり結果を残すことはできなかった。4年後のロシア大会にエースとして臨むためには何をすべきか―。バーゼルから正式オファーを受け、C大阪の先輩である元日本代表の西沢明訓氏や大久保嘉人(川崎F)に相談すると「行かないと分からへんことがある」と言葉をかけられた。揺れていた気持ちは徐々に固まっていった。

 初めて挑む異国の地。不安は大きいが、すべてを受け入れる覚悟はできている。チームの公用語である英語の習得は「覚えようという強い気持ちがある」と意欲十分。本来は自ら輪の中に入っていくタイプではないものの「早く言葉を覚えて全選手とコミュニケーションを取りたい」と積極的な姿勢を示した。

 バーゼルはリーグ5連覇中で、欧州CLにも出場する。全世界が注目する舞台で輝くことができれば、さらなるビッグクラブへの移籍も見えてくる。「チームの人にも“ここでステップアップしてほしい”と言われている。(まずは)6連覇のためにプレーできれば。成功するイメージだけを持っている」。16日に日本を出発し、17日にはチームに合流する予定。決意を胸に、新たな戦いに挑む。

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