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クローゼ ロナウドの前で決めた16点目「絶対にあと1勝する」

[ 2014年7月10日 05:30 ]

<ブラジル・ドイツ>前半23分、ドイツ2点目のゴールを決めたクローゼ(AP)

W杯準決勝 ドイツ7―1ブラジル

(7月8日 ベロオリゾンテ)
 ドイツはFWミロスラフ・クローゼ(36=ラツィオ)が歴代単独最多のW杯通算16点目をマークするなど準決勝では最多の7ゴールを挙げ3大会ぶり8回目の決勝進出。13日(同14日)の決勝で24年ぶり4度目の世界一に挑む。

 静まり返るスタジアムの右コーナーポストに向かって、クローゼが駆けだした。通算16得点のW杯新記録を祝う得意の前方宙返りへ――。しかし速度は上がらず、そのまま両膝を着いてピッチを滑り込んだ。「最初打とうとした時に左足を痛めてね。だからできなかったんだよ」。背番号11は冷静に解説した。

 歴史をつくったのは1点リードの前半23分。ミュラーがゴール前に走り込んだクロースに縦パスを入れ、クローゼの足元にワンタッチで渡る。右足で放ったシュートは相手GKにはじかれたが、こぼれ球を押し込んで今大会2点目。「(記録更新の)実感はない」と話した。

 「クローゼは格下相手にしか活躍できない」。バイエルンMに所属していた12年、当時のウリ・へーネス会長にそう批判された。実際に02年日韓大会の決勝では、ブラジルがロナウドの2得点で5度目の優勝を飾った一方でクローゼは不発だった。これまでの15得点で、準決勝以上の舞台での得点は0。4度目のW杯で、しかもロナウド氏が観戦した試合でようやく殻を破り「私はストライカーであり、ストライカーはゴールを欲するもの。可能な限り(歴代得点王の)トップにいたいと自然に思うよ」と本音もにじませた。

 チーム最年長の36歳は、02年日韓大会をただ一人経験したプレーヤー。当時から精かんだった顔には年輪が刻まれ、今大会はサブという位置付けでブラジル入りした。それでもサッカーに取り組む姿勢とフェアプレー精神で尊敬を集める男は2試合連続で先発機会を得ると、前半11分にはミュラーのマーカーであるダビド・ルイスの動きをブロックして、チーム初得点を“アシスト”。レーブ監督も「開催国であるブラジルを相手に記録を破れるというのは、信じられないことだ」と最大級の賛辞を並べた。

 過去出場した3大会は準優勝1度、3位2度。もう銀メダルはいらない。「我々は絶対にあと1勝する」。聖地マラカナンで有終の美を飾る。クローゼは強く決意した。

 ≪出場23試合は2位タイ≫ドイツFWクローゼが前半23分に今大会2点目のゴール。W杯通算得点を16得点とし、歴代最多で並んでいたロナウド(ブラジル=15得点)を抜いて歴代単独最多得点者となった。また、W杯通算23試合目の出場はマルディーニ(イタリア)と並び、W杯通算出場試合数歴代2位タイ。

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