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女王INAC 波乱の船出…開幕戦黒星スタートは4年ぶり

[ 2014年3月31日 05:30 ]

<INAC神戸・浦和>後半ロスタイム、土壇場で決勝ゴールを決められガックリの澤(右から2人目)ら神戸イレブン

なでしこリーグ開幕戦 INAC神戸2―3浦和

(3月30日 ノエスタ)
 キックオフから90分後、誰も予想しない結末が待っていた。女王の名をほしいままにしていたINAC神戸がまさかの黒星スタート。ボウ然と立ち尽くす若い選手の横でMF澤は気持ちを切り替えるかのように髪の毛を結び直し歩き出した。
【試合日程結果 順位表】

 「全体的に緊張していたのか変に力があってバタバタしてた。なかなかコンパクトにならず浦和にうまくつかれた」

 35歳が冷静に分析した通りだった。FW川澄、MF池笑然(チソヨン)、DF近賀ら主力が抜け、この日はスタメン出場した2人を含め高卒新人4人がピッチに立った。しかも前半29分に中盤の一角を担うMF南山が左膝を痛め交代。アクシデントも重なり、浦和の効果的なプレッシャーに屈する形ですべてが後手に回った。2度同点に追い付く見せ場はあったものの、後半ロスタイムに勝ち越された。

 4年ぶりの開幕戦黒星とはいえチームとしては想定内だ。今季からリーグ方式が変わり、上位6チームで優勝を争う9月からのエキサイティングシリーズを“本番”に見据えていることもあり前半戦の苦戦は覚悟の上。「1試合1試合修正して、いいチームにしていきたい」と前田新監督も伸びしろに期待する。指揮を執ったJ2の福岡、鳥取時代から続く公式戦連続未勝利記録が「27」に伸び、常勝軍団でも負のデータが続いてしまったのは皮肉ながら「強化しながら勝っていかないといけない」と若手育成と勝利の二兎(にと)を追う覚悟にブレはない。

 「悔しいけれど、中堅と一緒に若い子の背中を押せればいいかな」と澤も前を向く。波乱の船出に負けず、荒波を乗り越えた時、新生INAC神戸が誕生する。

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2014年3月31日のニュース