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欧州に旋風 小国キプロスのアポエル プラティニ改革の恩恵 

[ 2012年1月5日 07:03 ]

 プラティニ改革の恩恵を受けたアポエル・ニコシア(キプロス)が、今季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグを同国勢で初めて突破するなど旋風を起こしている。2月からの決勝トーナメント1回戦では、フランスの強豪リヨンと対戦を控える。

 1次リーグはポルト(ポルトガル)など、格上の3チームと争いながら堅守速攻で1位通過。年間予算わずか約10億円の小さなクラブの成功の鍵は、07年1月に就任した欧州サッカー連盟(UEFA)のプラティニ会長の改革にある。

 「多様性」を重視する会長の方針で、欧州CLの予選方式は09~10年シーズンから変更され、その後はUEFAランキングで中、下位協会のクラブが1次リーグに勝ち上がることが増えた。

 アポエル・ニコシアは09~10年シーズン、1次リーグ初進出。チェルシー(イングランド)、Aマドリード(スペイン)ら強豪らを相手に、1勝もできずに最下位(3分け3敗)に終わった。しかし、ヨバノビッチ監督は「2年前の自信と経験が触媒になった」と、今季の活躍につながったとみている。補強が容易になり、参加賞金で財政が潤った効果も大きい。

 1次リーグ第4節では、欧州CLを制覇したこともある強豪ポルト(ポルトガル)から、試合終了間際の劇的なゴールで勝ち星をあげた。MFピントは「勝つためにプレーする」と、さらなる躍進を誓った。

 改革により弱小国の代表が増えて戦力差が広がり、魅力に欠ける試合が生まれたとの見方もある。ただ、アポエル・ニコシアの健闘に見られるように、欧州全体の底上げを狙う哲学が実を結びつつある。

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2012年1月5日のニュース