初先発もシュートすら打てず…清武「悔しい…残念」

＜北朝鮮・日本＞前半、攻め込む清武

Ｗ杯アジア３次予選・Ｃ組 日本０―１北朝鮮

（11月15日 平壌）
　記念すべき国際Ａマッチ初先発が、完全アウェーの中でのザックジャパン初黒星。慣れない人工芝ピッチでの激闘を終え、黒星とともに引き揚げてきたＭＦ清武の顔は悔しさでゆがんでいた。

　「厳しい中、負けてしまったことは悔しいです。自分たちの戦いをしようとしか考えていなかったですけど、負けてしまって残念です」。

　短いコメントの中に２度も敗戦の言葉が口を突くあたりに思いがにじむ。１１日のタジキスタン戦まで、国際Ａマッチは全て途中出場で４戦４アシスト。満を持して５戦目で初先発の座を得ながら、シュートを打つことすらできなかった。後半４０分には李と交代。ザックジャパンの新星は先発定着のチャンスを生かせなかった。日本代表選手として初めて味わう屈辱に唇をかみしめるしかなかった。

　地元の空気を吸ってから敵地へと乗り込んできた。１―３で敗れた３日の名古屋戦（豊田）後、スタジアムからそのままタクシーに飛び乗り、中部国際空港へ。２日後が今回の代表遠征の合流日だったが、クラブの許可を得てチームを離れ、強行軍で大分へ帰省した。２０歳まで過ごした故郷でつかの間のオフを過ごしてリフレッシュ。そしてドーハ、ドゥシャンベを経て、北京入りした１２日には２２歳の誕生日を迎え「得点に絡みたい」と北朝鮮戦での大暴れを期していた。それだけに悔しさはひとしおだった。

　それでも今回の遠征は大きな前進だ。８得点で快勝した１０月１１日のタジキスタン戦（長居）はスタンド観戦。ケガを抱えながらも強行招集により代表メンバーに名を連ねたが、右内転筋痛の回復は思わしくなく合宿入り後に離脱した。あれから１カ月。懸命のリハビリを経て再びザックジャパンに帰ってきた男には、岡崎がプレーするドイツの名門シュツットガルトも獲得へと動きだしている。「まだまだなので、しっかり切り替えて頑張りたい」と清武。悔しさをバネに、さらなる成長を誓った。