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細貝も伊野波も栗原も競り負け…主力組と大きな差

[ 2011年11月16日 06:00 ]

<北朝鮮・日本>後半、日本ゴール前で競り合う栗原(中央)

W杯アジア3次予選・C組 日本0―1北朝鮮

(11月15日 平壌)
 新戦力の台頭は見られなかった。既にW杯アジア3次予選突破を決めて臨んだ北朝鮮戦。従来の布陣から、MF遠藤→細貝、DF長友→伊野波、DF吉田→栗原とメンバーを変更。底上げを兼ねたテストが実施された。だが過去3戦未勝利の鬼門・平壌には過酷な現実が待っていた。

 失点の場面では栗原の甘さが出た。身体能力の高さを買われての起用。だが後半5分、相手FWパク・クァンリョンとの空中戦に完敗。「普通にJリーグにはいないレベルだった。個人的にも変な感覚でかなり苦戦してしまった」と反省。走り込むDFパク・ナムチョルに簡単にパスを通され、シュートを許してしまった。ミスも目立ち、安定感に欠けた。

 中盤の攻防でも主導権を譲る形となった。MF細貝は国際Aマッチ通算113戦出場の遠藤に代わっての先発。本来は一気に攻撃へのスイッチを入れるアグレッシブな守備が身上。だが北朝鮮の肉弾戦の前に持ち味を消された。「もともと遠藤さんのようなプレーはできない。自分の色を出したかったけどできなかった」と唇をかんだ。

 長友を右ふくらはぎ負傷で欠く左サイドバックには伊野波が起用された。敵地で守備的な戦いになったことを差し引いてもクロスが1本も上げられない現実は惨状といえた。「攻撃の形はつくれなかった。メンバーは結構代わったけど誰が出てもやっていけないと」と猛省していた。

 遠藤がいれば、長友がいれば――。そんな展開だった。細貝が国際Aマッチ出場10戦目、伊野波は9戦目、栗原が8戦目。世界でも類を見ない完全アウェーの雰囲気の中、貴重な経験は積めたが、それだけだった。主力と控えの間にはまだ大きな差がある。最終予選までの課題が明確になった。

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2011年11月16日のニュース