岡崎の移籍白紙!?清水“二重契約”FIFAに提訴

[ 2011年2月14日 06:00 ]

 清水は13日、日本代表FW岡崎慎司(24)がドイツ1部シュツットガルトと、清水との契約期間内だった1月31日を契約開始日とする正式契約を結んだ問題に絡み、7日付で国際サッカー連盟(FIFA)に対し「補償金支払いに対する申立書」を提出したことを明らかにした。近日中に下されるFIFAの裁定次第では、岡崎のシュツットガルトへの移籍が無効となる可能性も出てきた。

 エースの無断流出に、清水が“実力行使”に出た。早川巌会長(67)は13日、キャンプ地である鹿児島市内のホテルで緊急会見を開き、岡崎のシュツットガルト移籍に関し「これを認めるのは責任放棄。今後の日本のクラブのことを考えても(あしき)前例は作れない」と断固として認めないスタンスを強調。問題の早期解決に向け、7日付でFIFAに提訴したことを明かした。

 早川会長はシュツットガルト側に2つのFIFA規約違反があったと主張。「選手の地位及び移籍に関する規則」18条3項では選手の所属クラブに対し事前に文書で契約交渉開始を通知することが義務付けられているが、今回は岡崎の代理人であるロベルト佃氏から“シュツットガルトが岡崎にオファーを出した”旨の電話連絡はあったものの、正式な文書は清水に届いていないという。さらに電話連絡後、「しばらくロベルト佃さんが音信不通になっていた」(早川会長)ことも清水側が不信感を募らせる結果となった。

 もう1点は、1月31日まで清水との契約を残す岡崎とシュツットガルトが、その1月31日を契約開始日とする契約を交わしたこと。同規則18条5項では、契約期間中の移籍に際しては両クラブが期間満了前に契約を終了させるための違約金について合意することを義務付けているが、今回は清水側に連絡もないまま正式契約が交わされた。

 わずか1日とはいえ二重契約の状態となったことを受け、清水側は対抗手段として国際移籍証明書へのサインを凍結。早川会長は「岡崎にはドイツで活躍してもらいたい」とした上で「岡崎のために対応をスピーディーにした」と7日付でFIFAに「補償金支払い申立書」を送付。早川会長は「ルールにのっとれば100万ユーロ(約1億1300万円)の違約金が妥当」と話した。FIFAの裁定は17日までには出る見通しだが、二重契約と判断されれば最悪の場合、移籍そのものが白紙となる可能性もある。岡崎にとっては眠れない日々が続きそうだ。

 ▼「選手の地位および移籍に関する規則」第18条3項 プロ選手と契約を結ぶクラブは交渉前に、所属クラブに書面でその旨を通告しなければならない。プロ選手は所属クラブとの契約が終了しているか、6カ月以内に満了する場合に限り、他のクラブと契約を結ぶことができる。この規定に違反した場合、適切な制裁措置が科される。

 ▼同18条5項 プロ選手が2つ以上の重複する契約を結んだ場合、正当な理由があれば補償金(違約金)や制裁措置などなく、どちらかのクラブによって契約を終了することができる。
 
 ◆移籍騒動の経緯

 ▽10年12月20日 岡崎の代理人から清水側に、電話でシュツットガルトからオファーが届いたと連絡が入る。清水は11年1月31日まで契約が残っていることから「億単位の移籍金が発生する」との可能性を示唆。以後、代理人とは「音信不通の状態」(早川会長)に。

 ▽1月30日 アジア杯決勝翌日、岡崎はカタールからドイツへ。メディカルチェックを受けた後、日本時間31日未明にシュツットガルトと正式契約を交わし、本拠地で会見。

 ▽1月31日 清水・竹内社長がシュツットガルトのフライング気味の行為に不快感。「事実確認する」と発言。

 ▽2月1日 岡崎が帰国。

 ▽2月4日 岡崎が再渡独。

 ▽2月5日 清水が送っていたシュツットガルトへの質問状の回答が届く。早川会長は「冷酷な対応だった」。

 ▽2月6日 岡崎がシュツットガルトの練習に初合流。

 ▽2月7日 清水がFIFAへ「補償金支払いに対する申立書」を申請。

 ▽2月12日 岡崎はデビュー戦となるはずだったニュルンベルク戦をスタンドで観戦。

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