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闘莉王が主張「下手くそなんだから泥臭く」

[ 2010年5月30日 06:00 ]

<日本代表練習 イングランド戦前日>今野と競り合う闘莉王(右)

 W杯日本代表DF田中マルクス闘莉王(29)が岡田ジャパンに“闘魂”を注入した。韓国戦に完敗するなど苦戦が続く日本代表イレブンが27日、メンバー発表後では初めて選手だけのミーティングを開催。約1時間の話し合いの中で、闘莉王が「オレたちは下手くそなんだから、もっと泥臭くやらないと」と強く訴えるなど、選手が自主的にチームの修正に乗り出した。

 不振を極めるチームに闘将がカツを入れた。今合宿初の選手だけのミーティング。音頭を取った川口が「10分、15分のつもりが1時間になった」という話し合いの冒頭、激しい口調で切り出したのが闘莉王だった。
 「今のままじゃ絶対にダメ。オレたちは下手くそなんだから、もっと泥臭くやらないと勝利は転がってこない」
 同じ言葉を何度も何度も繰り返し、遠藤は「30秒ぐらいで済むことを、5分ぐらい言っていた」と振り返った。
 闘莉王が熱くなるのも無理はない。チームは4月のセルビア戦、24日の韓国戦と連敗し、2試合で5失点と守備は完全に崩壊。ともに欠場した闘莉王にしてみれば結果はもちろん、闘争心が伝わってこないチームの雰囲気も看過できなかった。イングランド戦で先発復帰が濃厚な闘将は「相手はどこを見てもすげぇ選手ばかり。ボールに食らいつくことが大事。プロフェッショナルファウルも悪いことではない」と反則覚悟で世界屈指の攻撃陣に対応する構えだ。
 ミーティングは戦術的な修正にも及んだ。長友が「相手のサイドバックに(ボールが)入ったところにプレッシャーに行ってくれると守りやすい」と話したように、前線からプレスをかけるタイミングを全体で統一することを再確認。長谷部は「今年に入っていい形でゲームができていない。自分たちで思ったことは、岡田監督に伝える」とミーティングでまとめた意見を指揮官に“進言”することを明言した。
 岡田監督は「どんどんそういうことはやった方がいい」と意見交換する選手の姿勢を歓迎した。W杯まで強化試合は残り2試合。闘莉王を中心とした選手主導のチーム改革が、奇跡の扉を開くことにつながるかどうか。

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2010年5月30日のニュース