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森本痛恨の一発退場 監督は解任ピンチに…

[ 2009年10月30日 06:00 ]

<カターニア・キエーボ>後半37分、退場を宣告され、がっくりする森本貴幸(左から2人目)

 森本が痛恨のレッドカードを食らった。カターニアは28日にホームでキエーボと対戦。1トップで先発した日本代表FW森本貴幸(21)は後半37分に背後からの危険なタックルで一発退場となり、チームも1―2で敗れて降格圏の19位に転落した。森本は29日、イタリア協会から1試合の出場停止処分を受け、11月1日のフィオレンティーナ戦に出場できなくなった。

 痛恨のプレーだった。1―2の後半37分だ。相手の速攻に遭い、慌てて守備に戻った森本は相手のボランチ、イオリの背後からタックル。遅れ気味に出した足がイオリの足に引っかかった。バレリ主審はちゅうちょなくレッドカードを提示した。エースを失って1人少なくなったカターニアは攻め手を欠き、そのまま敗れ去った。セリエAで初の退場処分を受けた森本は「きょうはちょっと…」とだけ話すと肩を落とし、悔しさをあらわにしてバスに乗り込んだ。

 1トップで先発し、序盤から相手の執ようなマークに苦戦した。パスコースを徹底的に消され、前半はほとんど前を向けずにシュート0本で終わった。チームも前半32分に相手に先制され、同42分に1度は追いついたが、後半25分に再び勝ち越された。森本の退場は、反撃に転じていた直後の出来事だった。アツォーリ監督は「ファウルは悪質なものではなく、正直レッドに値するものではなかった」と擁護したものの、そのままチームは敗戦。順位を3つ落として再び降格圏に転落した。

 一夜明けた29日、イタリア協会は森本に1試合の出場停止処分を発表した。イタリアでは最近、危険なタックルに対し厳しい処分を下す傾向があり、2試合の出場停止なら11月1日のフィオレンティーナ戦だけでなく同8日のナポリ戦も出場できない可能性があった。招集が確実視される日本代表の南アフリカ・香港遠征(9~19日)に実戦から遠ざかった状態で参加する事態は避けられたが、カターニアにとってエース不在は1試合だけでも痛手だ。

 成績不振でアツォーリ監督は解任の危機にも直面。指揮官は「この成績の責任は私にある」と覚悟したようなコメントを口にしており、森本退場による敗戦が“決定打”となる可能性もある。

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2009年10月30日のニュース