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采配ズバリ!チェルシー生き残った

[ 2008年3月25日 06:00 ]

 イングランドのプレミアリーグ第31節の2試合が23日に行われ、上位4強が直接対決。チェルシーがアーセナルに2―1で逆転勝ちし、優勝争いに踏みとどまった。先制を許しながらアブラム・グラント監督(52)の効果的なシステム変更からFWディディエ・ドログバ(30)が2得点。アーセナルを抜いて2位に浮上した。首位マンチェスター・ユナイテッドは4位リバプールに3―0で快勝した。

 ドログバが誇らしげに言った。「この勝利で優勝争いに生き残ることができた」。敗れていれば残り7戦でマンUとは勝ち点8差。チェルシーが崖っ縁で意地を見せた。

 采配が効いた。0―1の後半25分に2人同時交代で通常の4―3―3から4―4―2にシステムを変えた。ゴール前の標的を増やすため前線にアネルカを入れてドログバと2トップを組ませ、右サイドバックに攻撃的なベレッチを投入。エシエンを最終ラインから本職のボランチに戻し、中盤が強い相手に対抗した。

 「相手の守備に重圧を掛けたかった。交代が常に成功すると思っているわけではないが、きょうは成功した」とグラント監督。交代から3分後、ドログバが自陣からのロングボールに競り勝つとこぼれ球を自ら決めた。さらに9分後、ベレッチの素早いFKをアネルカが頭で落としてドログバが勝ち越し弾。「相手はボールを扱わせたら凄いけど、オレたちはパワフルだから」とドログバが話したように力ずくで相手ゴールをこじ開けた。

 リーグ杯決勝で初タイトルを逃すなど今季限りで解任の可能性も報じられているグラント監督。常にカリスマ性があったモウリーニョ前監督と比較され、この日も2人同時交代の際にスタンドの一部で「おまえは何も分かっていない」とヤジが飛び、前監督の名前が連呼された。そんな状況での逆転勝利。「試合に集中していたからヤジは聞こえなかった」と話した指揮官だが、試合後の歓声は耳に届いたはずだ。

 マンUと勝ち点5差ながら2位に浮上。今後の対戦相手はマンUやアーセナルより恵まれ、4月26日のマンU戦までにさらに差を詰める可能性もある。その大一番の舞台はこの日でホームでのリーグ戦不敗記録を78に伸ばしたスタンフォード・ブリッジ。「ベストを尽くすだけ」と話した指揮官が再びヤジを歓声に変えることができれば、逆転優勝も夢ではない。

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2008年3月25日のニュース