松永幹師 騎手で調教師で秋華賞に縁

[ 2023年10月13日 05:08 ]

松永幹夫師
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 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末は秋華賞が行われる。騎手時代、そして調教師となった後も、このレースと縁があったのが松永幹夫師だ。

 ジョッキー時代は1996年。調教中のケガで半年以上も休まざるを得なかったが、復帰に合わせて用意してもらえたのが秋華賞のファビラスラフイン(栗東・長浜博之厩舎、2017年解散)だった。この年に新設された第1回の秋華賞で5番人気だった。「春までは別の騎手が乗っていたので、外から見ていただけですけど、折り合いの難しいタイプという印象を持っていました」。実際、レースでは少し掛かった。それでも直線で早めに先頭に立つと、そのまま押し切った。「1カ月前までは馬にも乗れなかったのに、復帰してすぐにG1を勝たせてもらえました。不思議な感覚だったのを覚えています」

 それから干支(えと)がひと回り以上。09年、今度は調教師として牝馬3冠最後の1冠に臨んだ。相棒はレッドディザイア。春には桜花賞、オークスで連続2着。勝ったのはいずれもブエナビスタ。この秋華賞で三たび頂点を争った。「京都の内回りが舞台になるので、先行力に勝る分、逆転の可能性はあると考えていました」

 すると、実際に先行して早目に抜け出した。「最後は“やはり!!”という感じでブエナビスタが迫ってきました。ほとんど並んでゴールしたので、勝ったか負けたか分かりませんでした。ただ、周囲の皆が“勝った、勝った”と祝福してくれました」。写真判定の結果、鼻差でレッドディザイアに軍配が上がった(その後、ブエナビスタは3着降着)。「ブエナは本当に強い馬でしたからね。最後の1冠でなんとか破ることができて、本当にうれしかったです」

 その後、レッドディザイアはジャパンCで3着に好走すると、翌春にはドバイへ遠征し、ドバイワールドCの前哨戦マクトゥームCR3(当時G2、現G1)を快勝。ブエナビスタに負けず劣らずの強さを、改めて証明するのだった。 (フリーライター)

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