×

田中博康師支える騎手時代の経験

[ 2021年11月12日 05:30 ]

アンノートルと柴田大知騎手(左端)、田中博康調教師(右から2人目) (撮影・西川祐介)
Photo By スポニチ

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、エリザベス女王杯(G1)が行われる。手前みそで恐縮だが、スポニチ紙上で私が◎を打ち、単勝7710円で逃げ切ったのが09年のクィーンスプマンテ。手綱を取ったのは田中博康騎手(現調教師)だった。

 85年生まれの田中博調教師。中学3年生の時、偶然見たテレビが彼の人生を変えた。アグネスフライトがハナ差でエアシャカールに勝利した第67回日本ダービー(G1)。鞍上はそれぞれ河内洋騎手(現調教師)と武豊騎手。兄弟弟子同士の叩き合いだった。

 「競馬って凄い!と感じ、自分も騎手になりたいと思いました」

 高校に2年通った後、2度目の試験で競馬学校に合格。06年3月、美浦・高橋祥泰厩舎からデビューした。冒頭で記したG1勝ちはデビュー4年目のことだった。しかし、その後の彼の騎手人生は順風満帆だったわけではない。同じ頃、シルクメビウスでブリーダーズゴールドカップ(当時Jpn2)を勝つなどの活躍をしたものの、勝利数は伸びなかった。

 もがき苦しんだ彼は11年のフランス遠征を筆頭に英国やアイルランドの競馬を見て回り、経験を増やすことでスキルを磨いた。また、美浦所属でありながら変化を求めて栗東に長期滞在した時期もあった。

 それでも成績が爆発的に良くなることはなかったが、それらの経験は無駄ではなかった。16年に調教師試験に一発合格。当時31歳で、騎手あがりとしては最年少の調教師になれたのだ。

 試験に合格後も開業までの間に香港やドバイ、オーストラリアにも飛び、見聞を広めた。18年に開業して今年が4年目。まだ重賞勝ちこそないものの、5月には準重賞のプリンシパルSを管理馬のバジオウが優勝。田中博調教師をこの世界にいざなった日本ダービーへついに駒を進めた。現在まだ35歳。今後の活躍が楽しみな若手調教師と言えるだろう。

 さて、今年のエリザベス女王杯を制するのは将来のどんなホースマンなのか。そんな見方も面白そうだ。 (フリーライター)

続きを表示

「七夕賞」特集記事

「プロキオンS」特集記事

2021年11月12日のニュース